さとうもか

さとうもかのレビュー・評価・感想

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さとうもか
9

ドリーミーで甘くかっこいい、さとうもかワールド!

1994年、岡山出身のシンガーソングライター・さとうもか。
2015年に初のミニアルバム『THE WONDERFUL VOYAGE』を、2018年には全国盤の『Lukewarm』をリリース。
ライブなどで見せるアコースティックギターでの弾き語りはノスタルジックであたたかく、ふんわりと、ドリーミーな世界に包み込まれる。彼女の真骨頂だ。

2020年にリリースしたシングル『melt bitter』は、終わりゆく恋の寂しさと苦さ、切なさが、素直に、そしてエモーショナルに表現された歌詞を、初のバンド編成で力強く歌う。
誰しもが自分自身の経験と重ね合わせ、“あの頃”を思い出してしまうこの曲が、TikTokを中心としたSNSで話題となり一気に知名度を上げる。

Vaundy、ぜったくん、maco marets、MAISONdesなどとのフィーチャリング楽曲も多数。唯一無二の【さとうもかエッセンス】が、あらゆる作品で効いている。
2021年リリースのメジャー初アルバム『WOOLLY』は、彼女の幅の広さ、遊び心が満載。リード曲である「Woolly」はグルーヴ感のたまらない、心に響きわたるポップス。M9の「いちごちゃん」は、かわいらしいガットギターの音色が乙女心をくすぐる。

“新世代のユーミン”と称される彼女。良い意味で気の抜けた、ガーリーできゅんとする彼女の歌声は、聴いた人の心を掴んで離さない。
フランス映画のような、ゆったりと個性的な雰囲気に、スキップをするような軽やかさが魅力的。心の動きを繊細に落とし込んだリリックとの掛け算にすっと引き込まれる。
ジャンルレスに異彩を放つ彼女のこれからの活躍に、ぜひ注目してほしい。