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悪魔は誰だ

悪魔は誰だのレビュー・評価・感想

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悪魔は誰だ
8

誰もが「悪」で、誰もが「善」

15年前の誘拐事件で、幼い娘を殺された母ハギョン(オム・ジョンファ)。公訴時効を迎えるにあたり、担当刑事チョンホ(キム・サンギョン)は彼女の元を訪れます。事件解決を願い自ら情報を集めていたハギョンは、やり場の無い怒りをチョンホにぶつけますが、時効5日前にして犯行現場に一輪の花が手向けられたことで事態は一変。
防犯カメラの映像を元に捜査を再開した警察は、時効まであと数時間に迫ったところでついに犯人を視界に捕らえるも、その甲斐虚しく時効が成立。
それから数日後、15年前と同じ手口の事件が発生。チョンホ刑事は捜査を進めついに犯人を突き止めますが、その真相とは…。

誘拐殺人という「悪」が明確なテーマの本作ですが、見終わる頃には「何が善で悪なのか?」、そんな命題を突き付けられた気持ちになります。ありきたりなクライム・サスペンスとは一線を画す、良い意味で「期待を裏切る」展開が待っています。
本作の日本の配給会社であるアルバトロスフィルム公式サイトでは、竹中直人さんや室井佑月さんら著名人が「騙された」、「韓国映画の叫びを聴いた」など絶賛のコメントを寄せています。

人間とは善・悪分かれて生まれてくるわけではなく、「誰もが善であり、悪である」。憎しみとは愛情から生まれるもの。そんな虚ろな人間の本質を突くような本作は、あえて「悪魔」というワードをタイトルに入れているように感じてなりません。