アンホーリー 忌まわしき聖地

アンホーリー 忌まわしき聖地のレビュー・評価・感想

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アンホーリー 忌まわしき聖地
7

宗教色はあまり強くなく、日本人にもピンとくる内容

海外ドラマの「スーパーナチュラル」の主人公、サムとディーンの父親を演じたジェフリー・ディーン・モーガン主演のホラー映画。
他にあまり有名な俳優は出ていないようであったが、目に余るようなグロいシーンは無いし、ジャパニーズホラーのようなドキッとさせるだけのシーンも少ない。宗教的な話もあるが日本人には理解できないものでもなく、ストーリーもよくまとまっていて面白かった。
奇跡を起こす少女アリスの純粋さと美しさもまた物語を面白いのものにしている。

主人公は落ちぶれたジャーナリスト。最近はゴシップ紙に嘘くさい記事を書いているようだ。
「ある村で牛が虐殺された」というネタを掴んでその村へ向かうが、それはガセネタだった。
せっかくこんな辺鄙な村にまでやって来たのに手ぶらでは帰れないと思っていると、ふと教会の敷地に立つ1本の樹に目を奪われた。
何かに吸い寄せられた主人公は、その樹の根元に1800年代の古びた人形を見つけるのだった。
村人にその人形の由来を尋ねると、その村に古くから伝わる人形で子供の成長などを願う為のものだと知らされる。
どうしてもネタを手にして帰りたい主人公はその古びた人形を故意に破壊して、あたかも何かの災いが起こるような記事に仕立てようと企む。
しかし、その人形はかつてその村を脅かしたホンモノの災いを封じ込めた人形だったのだ。
主人公によって、その災いは時を経てまたその村に解き放たれてしまったのだった。

アンホーリー 忌まわしき聖地
9

マリア様だと思っていたら…

耳が聞こえず、話すこともできない少女に起きた奇跡。
神父が育ててくれた環境の中で、マリア様の声が聞こえ、実際にも耳が聞こえるようになり、言葉を話すこともできるように。やがてその少女は、歩けない少年の足を治すという奇跡を起こす。
そんなマリア様の声が聞こえるという少女を皆が信じ、協会へと集まる。
ここまでは凄く素敵なお話だと思ったのですが、ホラー映画なのに怖くない?なんて思っていたら、大間違いでした。
鍵を握るのは、その少女を育ててくれた神父さん。そして、この不思議な現象の真相を突き止めることになるのが、この街に現れた記者。
ホラー映画ではあるけれど、隠された秘密と不思議な現象に、何が原因なのか知りたい気持ちでいっぱいになり、久しぶりに魅入ることができた映画でした。
マリア様の声だと思っていたのは、実は聖なるものではなかったという事実。
ただ許せないと思ったのは、神父様が少女を生け贄のようにしていたこと。
それと、序盤の進行が早すぎてあっさりとしてるところや、最後にマリア像が流した血の涙が気になり、番外編のような映画があればいいと思う内容でした。