ヒトラー ~最期の12日間~

ヒトラー ~最期の12日間~のレビュー・評価・感想

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ヒトラー ~最期の12日間~
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陥落直前の首都ベルリンの総統地下壕内の最後の日々をドキュメンタリータッチで淡々と描いた『ヒトラー 最後の12日間』

『ヒトラー 最後の12日間』は2004年の独伊オーストリア合作映画で、戦争末期の歴史を題材にしています。監督はオリバー・ヒルシュビーゲル、脚本は製作のベルント・アイヒンガーのものに基づいています。第2次大戦末期のベルリン攻防戦時、まさしくドイツ第三帝国が敗北の瀬戸際に立っていた時の独裁者アドルフ・ヒトラーの最後の日々が描かれています。ヒトラーを演じたのはドイツの国民的な名優であるブルーノ・ガンツ。共演者はアレクサンドラ・マリア・ララ、コリーナ・ハーフーチ、ウルリヒ・マテスなど。撮影は2003年の9月から11月まで行われました。ロケーションはベルリン、ミュンヘン、ロシアのサンクトペテルブルク。映画の設定は総統地下壕の内部とその周辺です。映画製作の際にヒルシュビーゲルは目撃者の証言、生存者の回想録、そのほかの歴史的な典拠に基づいて1940年代のベルリンの雰囲気を再構成してみせました。脚本は歴史家ヨアヒム・フェストの『ヒトラーの総統地下壕の内部で』、トラウドル・ユンゲの『私はヒトラーの秘書だった』、その他、当時についての証言などを元にして書かれました。
1942年11月、東プロシアのヴォルフォスシャンツェでアドルフ・ヒトラー総統はトラウドル・ユンゲを自分の個人秘書に選任しました。その3年後、ソ連軍は退却するドイツ軍部隊を猛追してベルリンを包囲。ヒトラーの56回目の誕生日にソ連赤軍はベルリンの中心街に向けて砲撃を行います。SS帝国指導者ハインリヒ・ヒムラーはヒトラーにベルリンを退去するように説得を行いますが、ヒトラーは拒絶します。