バッカーノ! / BACCANO!

バッカーノ! / BACCANO!

『バッカーノ!』とは成田良悟が書いたラノベ小説及び、アニメ作品である。物語は1711年、1930年、1931年、1932年の禁酒時代のアメリカを舞台に悪魔が作り出した不死の薬を巡りマフィアや爆弾魔、錬金術師や人造人間などの個性的なキャラクターが奮闘する群像劇だ。本作の見どころは舞台設定とキャラクターである。まず禁酒時代を舞台にしたアニメは本作を除くと『91DAYS』くらいである。その舞台設定の希少性に加え前述した個性的なキャラクターが本作にしかない見どころである。

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バッカーノ! / BACCANO!
10

爽快な群像劇!不死者たちの馬鹿騒ぎ

独特なストーリーと個性的な登場人物が目を引くアニメ『BACCANO!』についてレビューします。小説家成田良悟さん原作の同名タイトル小説のアニメ版で、2007年7月から11月まで放送されました。今まで見てきた数あるアニメの中で、最も面白いと思っている作品です。

物語は、1711年の大西洋上で錬金術師たちが悪魔を呼び出し、不老不死になれる「不死の酒」を手に入れたことから始まります。不死者たちは右手でお互いを喰い合うことができると言います。
ところ変わって1930年代のニューヨーク。マルティージョファミリーの青年フィーロと幹部のマイザー、ちょっと抜けている泥棒カップル、マフィアのガンドール三兄弟、不死の酒を飲んだ錬金術師のセラードと助手のエニスらはそれぞれの思惑を持ちながら生活していました。
しかし、セラードが不死の酒を蘇らせたことがきっかけで、彼らの運命は奇妙に絡まり合ってしまいます。
そしてそのニューヨークを目指すシカゴ発大陸横断鉄道フライング・プッシーフット号には、革命テロリスト、不良集団、殺人鬼、不死の少年などが偶然乗り合わせていました。そこには、伝説の幽霊レイルトレーサーも乗り込んでいた…というものです。

あらすじからわかるように、とにかく登場人物が多いです。視点が次々と切り替わりながら話が進んでいきます。主人公が誰か、というのが最後まではっきり分からないのも今作の特徴です。全員が主人公という見方もできるのが斬新ですね。全てのキャラクターがストーリー開始までの人生をきちんと持っていて、その上で成り立つ世界になっているため見応えがあります。

また他に類を見ないストーリーで、勢いのあるアクションシーンも多いため、最後まで飽きることなく駆け抜けられます。全体的に疾走感があるのも魅力の一つです。
タイトルの『BACCANO』はイタリア語で「馬鹿騒ぎ」「お祭り騒ぎ」という意味らしく、その名に恥じない爆発力のある作品です。

アニメーションも素晴らしいです。特にオープニングは有名で、アメリカらしいビックバンドのジャズに合わせて登場人物たちが紹介されていきます。色使いがどこかレトロな雰囲気があり、動きも滑らかで完璧に世界観を再現しています。

話数としては、放送された全13話+DVD限定の番外編3話。長さ的にも通して見やすいのもいいところです。個人的には英語版も大好きです。キャラクターのイメージ通りの声で演技も良いためお勧めしています。日本語版を見た後、よりアメリカンな世界に浸りたい!という人は英語版を視聴してみるのも面白いと思います。