文豪とアルケミスト(文アル)のネタバレ解説・考察まとめ

『文豪とアルケミスト』(略称:文アル)とは、「文豪」を題材にした育成シミュレーションゲームである。開発・運営は、ゲームプラットフォームのDMM GAMESである。2016年11月にブラウザ版がリリースされ、翌年の2017年6月にスマートフォン版の配信が開始された。大正ロマンとスチームパンクを基調にした現実とは異なる歴史を歩んだ日本を舞台に、物語を展開していく。侵蝕者と呼ばれる敵から文学を守る為、プレイヤーは文豪達を転生させ、彼らと共に侵蝕者達と戦っていく事となる。

『文豪とアルケミスト』の概要

『文豪とアルケミスト』(略称:文アル)とは、ゲームプラットフォームのDMM GAMESが開発・運営している育成シミュレーションゲームである。キャッチフレーズは「たとひ魂が砕けても、想いは砕けない」で、育成対象はかつて実在した文豪達だ。2016年11月1日にブラウザ版がリリースされ、翌2017年6月14日にスマートフォン版『文豪とアルケミスト』の配信も開始された。
2019年からは、本作を原作とした舞台の上演を開始する。シリーズもののメディアミックスとして定期的に新作が公開されており、2023年11月時点で第7作目の公演が告知されている。また、2020年4月にはアニメの放送も開始された。同年8月までの4ヶ月間にわたる放送が行われている。なお、これらメディアミックスにおけるストーリーはすべてオリジナルとなっており、敵のデザインや文豪の転生方法等、キャラクター自身の設定を除いた細かい設定のすべてが異なる。

ゲームの舞台は、現実とは異なる歴史を歩んだ日本である。大正ロマンとスチームパンクを基調にした世界観となっており、そこでは錬金術と呼ばれる技術が発展していた。プレイヤー自身も錬金術を扱える特殊能力者「アルケミスト」として存在する。侵蝕者(しんしょくしゃ)と呼ばれる敵から「文学」を守る為、プレイヤーは文豪達を転生させ、彼らと共に侵蝕者達と戦っていく。

『文豪とアルケミスト』のあらすじ・ストーリー

『文豪とアルケミスト』のキービジュアルのひとつ。

『文アル』には『文学奇譚』という名のメインストーリーが存在する。ゲームリリースから約1年後の2018年1月24日に実装されたストーリーで、2023年1月時点では2章構成の物語となっている。また、本ストーリーの実装に伴い、実装前から存在していたチュートリアル用のストーリーが『旧プロローグ』に名前を変更された。
『文学奇譚』実装直後は、戦場にあたる有碍書(ゆうがいしょ)と呼ばれる複数のステージを順々にクリアしていく事で、シナリオの各エピソードが解放される仕組みであった。だが、2021年7月28日に行われた大型アップデートにより『文アル』のシステムが大きく変わり、有碍書の種類も増えた事からストーリーの更新が滞ってしまう。以降、全2章、未完のままとなっている。また、同日に戦闘システムに新たな要素が追加された事もあり、そちらの要素の説明を行う為に『新プロローグ』が追加された。プロローグとはついているが、すでに主人公がある程度図書館で働きだしてからの話である為、『文学奇譚』をすべて読み終えてから読む方が話の内容を理解しやすい。

旧プロローグ

ゲーム開始直後に始まるプロローグの画面。右の男性がプレイヤーの上司にあたる館長で、左が彼の右腕にあたるネコ。

錬金術と呼ばれる技術が発展した、近代風情が漂う日本。戦争もない平和な時代であったはずが、ある日突然、文学書が黒く染まるようになる。黒く染まった文学書は、人々の記憶から消え、最初から存在していなかったものとして扱われ出してしまう。文学書が黒く染まる原因が侵蝕者と呼ばれる存在にある事を突き止めた政府は、事態に対処する為、特殊能力者であるアルケミスト達を「特務司書」(とくむししょ)として各地の国定図書館へ派遣する。
アルケミスト達には文学書から、その作品を書いた文豪を転生させる力があった。アルケミストとしての能力を認められたプレイヤーは、国定図書館の1つ帝国図書館(ていこくとしょかん)に派遣される。そこでプレイヤーは、館長や同僚のアルケミスト達、そして政府の使いだというネコの助けを借りながら、館長が転生させた文豪・徳田秋声(とくだ しゅうせい)、そして自らの力で呼び出した文豪と共に初の特務司書としての仕事を行う。これが、いわゆる戦闘のチュートリアルにあたる。
侵蝕者をどうにか倒した主人公はその後、改めて自分の力で徳田秋声を呼び出す。転生の仕方と敵との戦い方について学んだプレイヤーは、この経験をもとに自分の力で文豪を集めながら彼らと共に侵蝕者との戦いに挑んでいく。

文学奇譚 第一章

第一話 有碍書へようこそ

敵からの攻撃を受けて侵蝕しかけてる本の中から、図書館側にいるプレイヤーと通信してる仲間達。一番左の少年が主人公の先輩にあたるアカ、画面真ん中の少年がアカと同じく主人公の先輩にあたるアオ、一番右が文豪の徳田秋声。

特務司書として帝国図書館に派遣された、アルケミストのプレイヤー。そこでの最初の仕事は、文豪・徳田秋声を文学書に潜り込ませ、その中に巣食っている侵蝕者から文学書を守る事であった。
プレイヤーの先輩アルケミストであり帝国図書館の職員である少年・アカやアオと共に、文学書の中に潜り込んだ徳田秋声。プレイヤーも通信という形で彼らの行動を図書館側から見守る。そこでまずプレイヤーは、徳田秋声と共に初対面であるアカとアオから自己紹介を受ける事になる。自分達を「館長よりも優秀なアルケミストだ」と紹介する2人のプライドの高さに、複雑な気持ちになるプレイヤーと徳田秋声。
するとそこに突如として侵蝕者が現れ、襲いかかってきた。唯一の戦闘要員である徳田秋声は、否応なしに侵蝕者との戦闘を開始する。

第二話 侵蝕者との戦い

本来なら本の中に入れないはずのアカ(黒髪の少年)とアオ(白髪の少年)がこの場にいる事を訝しむ徳田秋声(一番右端の青年)。

無事、侵蝕者との戦闘も終わり一段落ついたところで、再び文学書の調査が再開される。文学書に巣食う侵蝕者は他にもおり、大本を叩かない限り文学書を侵蝕者から守る事はできない。その為、大本を叩くまでは文学書の調査を続けなければならなかった。
調査を再開する中で、徳田秋声はアカとアオに抱いていた疑問をぶつける。本来ならば文学書の中に潜り込めないはずのアルケミスト。なのに、自分と一緒に文学書の中に入ってきたこのアルケミスト達の事を、徳田秋声は訝しく思っていた。
何も答えられないプレイヤーの代わりに、アカとアオが徳田秋声に説明を行う。しかし、それも「自分達が優秀なアルケミストだから」という意味不明な理由であり、徳田秋声は理解が出来ず戸惑うしかなかった。
そこへ、外にいる館長からの通信が入る。館長は新人であるプレイヤーを心配し、励ましの言葉をくれる。すると、そのタイミングで再び侵蝕者がプレイヤー達の前に現れ、またしても徳田秋声は戦闘に駆り出されるのであった。

第三話 有碍書を浄化せよ

侵蝕について詳しくないプレイヤーと徳田秋声(一番右端の青年)に説明するアカ(黒髪の少年)。

侵蝕者との戦闘を終え、再び調査に戻るプレイヤー達。そこでプレイヤーは、アカとアオによって、「本の侵蝕」というのがどのような仕組みでできているものなのかを教えられる。
2人の少年アルケミスト達いわく、侵蝕者によって文学書の中にある世界が破壊される度に、世界の破片が「文字」となって散っていく。それが現実の世界で「黒いシミ」として文学書にあらわれ、最終的に書物全体を真っ黒く染め上げてしまうのだという。また、もともと帝国図書館はそうした本をまとめて保管する場所であったが、いつからか侵蝕者を対処する対策本部としての役割を持つようになり、今日に至るとのことだった。
「侵蝕者を倒しても当分は侵蝕を抑えられるだけで、根本的な解決には何も繋がっていない」と語るアカとアオ。侵蝕者との戦いの現状を知った徳田秋声は、この戦いが終わる気配が全くない事を悟り、辟易とするのだった。

第四話 館長の司令

館長(画面真ん中の男性)からの司令にプレイヤーが返す言葉を選ぶ画面。

アカとアオによる説明が終わるのを見計らい、再び館長がプレイヤー達に通信をいれる。改めて、彼らと共に文学書を調査してほしいとプレイヤーに頼んできた館長。しかし、ここまでのアカとアオの態度が見た目相応の生意気さを伴っていた為、プレイヤーは「本当にこれで大丈夫なのか」と不安になる。
そんなプレイヤーの態度に怒るアカとアオ。しかも、アオの方は研究だけしてたいから、侵蝕者との戦闘を目的にした調査をしなければならない事に不満を感じていた。だが、館長の方はそんな2人の態度に慣れているらしく、「この問題を解決できれば英雄になれる」と彼らを焚き付ける。その言葉に惹かれたアカとアオは、見事館長の目論見通りやる気を出し始める。
露骨な2人の態度の変化に、徳田秋声は呆れのため息をつくのだった。

第五話 侵蝕者を探せ

文豪・織田作之助(画面真ん中の青年)と堀辰雄(画面右の少年)と一緒に、改めて本の中に入ったアカ(一番左端の少年)。

後日、今度は文豪・織田作之助(おだ さくのすけ)と堀辰雄(ほり たつお)、そしてアカと共に、プレイヤーは新たな文学書に潜り込む。アカいわく、今回は戦う事が目的というよりも、侵蝕者自体を調べるのが目的の調査とのことだった。
しばらく話をしていると、彼らの前に羊型の侵蝕者が現れる。アカからそれがスランプの塊から生まれた侵蝕者であると教えられた文豪達は、自分達の活動と切っても切り離せない概念から生まれたそれに親しみを覚えてしまう。見た目の可愛さも相まって心を許しかけた時、大量の羊型の侵蝕者が現れ、彼らに襲いかかってきた。

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