ミギとダリ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ミギとダリ』とは、佐野菜見による日本の漫画作品、およびそれを原作としたテレビアニメ作品である。『ハルタ』にて2017年から2021年まで連載され、単行本は全7巻刊行されている。アニメは2023年に全13話で放送された。神戸市にある架空の村「オリゴン村」を舞台に、双子の主人公・ミギとダリが母親を殺した犯人を突き止め、復讐を果たすまでの物語を描く。サスペンスの中にギャグ要素が織り込まれており、独特の世界観を楽しむことができるのが作品の魅力となっている。

『ミギとダリ』の概要

『ミギとダリ』とは、佐野菜見(さの なみ)による日本の漫画作品、およびそれを原作としたテレビアニメ作品である。原作漫画は『ハルタ』にて2017年から2021年まで連載され、KADOKAWAより全7巻刊行されている。アニメは2023年10月から12月まで全13話で放送された。

神戸市にある架空の村「オリゴン村」を舞台に、双子の主人公・ミギとダリが母親を殺した犯人を突き止め、復讐を果たすまでの物語を描く。ミステリーではあるが、友達との絆や家族の愛なども描かれ、感動的なストーリーである。

また、村で起こるサスペンスにより終始緊迫した雰囲気がありつつも、所々にシュールなギャグが盛り込まれており、笑えるところも多いのが作品の魅力となっている。
何事にも2人一緒に取り組む双子のコンビネーションも痛快であり、笑えるポイントである。

『ミギとダリ』のあらすじ・ストーリー

園山家に来たミギとダリ

養父の肩を2人で巧妙に叩くミギ(右)とダリ(左)

1990年2月、養護施設から秘鳥(ひとり)という13歳の美少年が、オリゴン村に住む園山修(そのやま おさむ)と洋子(ようこ)の夫婦に引き取られた。
しかし秘鳥はミギとダリという双子であり、引き取るのは1人だけだと聞いていたため、2人で1人の人物を演じていたのである。2人の目的はオリゴン村で母親を殺した犯人を見つけ出し、復讐することであった。そのために園山家の養子として村にやってきたのである。

2人は7年前まで母親と一緒にオリゴン村に住んでいた。どこかの家のどこかの部屋で身を潜めるように暮らしていたが、ある日母親に連れられ家を出た。そして山の中で暮らすようになる。
あるクリスマスの夜気づくと母親はいなくなっており、ミギとダリが探しに行くと母親が死んでしまっているのを発見したのだった。

友達作り

秘鳥として園山家に馴染んできたミギとダリは、いよいよ母親を殺した犯人を探し始めなければならなかった。手がかりは幼い頃に住んでいたミジンコ模様の壁紙のある部屋と、その壁紙に描いた迷路のラクガキだけだった。
ミジンコ模様の壁紙を見つけるためには村の家を一つ一つ見て回らなければならない。人の家に自然に入るために友達を作るべく、2人はボーイスカウトに参加することを決めた。

しかし2人には友達の作り方が分からなかった。友達を作ろうと行動してみるが、全て空回りしてしまい逆にからかわれてしまう。そんな中で、周りからバカにされながらもがむしゃらに頑張る姿を見た秋山俊平(あきやま しゅんぺい)という、秘鳥と同い年で鳥好きの少年が友達になろうと声をかけてきた。そして家に招待されたのである。秋山家では大した手がかりは得られなかったが、秋山の信頼と好感を得ることができた。
また別の日には、ボーイスカウトではなんの接点もなかった堤丸太(つつみ まるた)というわがままで機械好きの少年から家に招待された。丸太の家もくまなく探したが、何も手がかりはなかった。

ある日ボーイスカウトから帰った秘鳥(ミギとダリ)は、みっちゃんと呼ばれるハウスキーパーの光山(みつやま)と出会う。
オリゴン村の多くの家を仕事で回ってきたというみっちゃんにミギとダリは興味を持ち、なんとかして2人はミジンコ模様の壁紙がある家を聞き出すことに成功した。
その家は村で一番の名家である一条家であった。

春休みが明け、学校が始まったミギとダリは、一条家の息子・瑛二(えいじ)と仲良くなることを目指す。しかし学校では学力によりクラスが分けられており、瑛二は特進科クラスの1組、秘鳥は普通科の5組であった。
秘鳥(ミギ)は初日に瑛二と仲良くなろうと声をかけてみるが、そっけない態度を取られてしまう。
瑛二と友達になるには、勉強でいい成績を取らねばならない。そこで2人は担当教科を分けて勉強することにした。
ある日ダリはミギが授業に出ている間、秘鳥だとばれないように女装をして図書館で勉強をしていた。するとその姿を見たミギは、ダリが女装しているとは気づかずに一目惚れしてしまう。ダリは、あまり集中力がなく勉強に身が入らないミギの恋心を利用することにする。
ダリは「サリー」としてミギに接触し、ミギの担当教科である英語と国語のテストで100点を取ったら好きになるかもと伝え、ミギをやる気にさせた。そしてミギはテストで両教科とも100点を取ったのである。
まさか本当に達成すると思っていなかったダリは困惑したが、必死に頑張っていたミギの姿を見ていたため、サリーとしてデートに誘い、そこで遠くへ引っ越すのだと別れを告げた。

一条家への訪問

ミギの頑張りもあり、秘鳥のテスト結果は普通科で学年1位の成績を収めた。そして秘鳥の優秀さを認めた瑛二から、園山一家は一条家に招待されたのである。お互いに親睦を深めるという名目だったが、実は瑛二は、自分のパジャマのボタンを盗んだ犯人として秘鳥を捕まえようとしていたのである。
園山家3人と一条家として瑛二、瑛二の母・怜子(れいこ)、妹・華怜(かれん)の6人で食事をしながら会話していると、瑛二が突然立ち上がり、秘鳥が自分のパジャマのボタンを盗んだと疑いをかける。
瑛二は学校で秘鳥のカバンを探り、ボタンがあるのを発見していた。そのボタンはミギとダリの母親の形見として持っていたものだが、瑛二が8年前に失くしたものでもあったのだ。
秘鳥として食事に参加していたミギは、盗みの犯人として精神に異常をきたしていると言われ、正常に戻るまで一条家に預かられることになってしまう。
一からしつけし直す必要があるとして、ミギは怜子によって赤ちゃんのような格好をさせられ、キッチン倉庫の奥にある部屋に監禁されてしまった。
しかし大きな発見があった。監禁された部屋の壁紙がミジンコ柄であり、さらに迷路のラクガキも見つけ、そこがかつて母親と暮らしていた部屋であったことが判明したのである。

一条家の秘密

ミギが監禁されている間、ダリは一条家をくまなく捜索していた。そして、母親が一条家のハウスキーパーとして働いていたことを知る。さらに屋根裏部屋でオリゴン村のジオラマと住民を模した人形、住民データを発見し、一条家が村を監視していることが判明した。

一条家の危険性を知ったダリはすぐに逃げようとミギの元へ駆けつけるが、ミギはこの先のことを自分に任せるように頼んだ。赤ちゃんとしてしつけ直されているミギは、赤ちゃんになりきって怜子の懐に入り込み、一条家の秘密を聞き出そうとしていたのである。
ミギは完璧に赤ちゃんを演じてみせ、ついに5歳児として食卓デビューまでこぎつけた。作戦は成功したが、これでプログラムは終了したとして翌日には家に帰るように告げられてしまう。2人は一時落ち込むが、一条家での残された時間でできることを考え、犯人を炙り出すために自分たちの母親の姿に変装して、一条家の人たちの反応を探ることにした。

瑛二の父親で精神科医をしている瑛(あきら)は、変装したミギの姿を見ると驚いた様子で駆け寄り、「会いたかったメトリー」と言い強く抱きしめた。すでにミギとダリの母親が死んでいることを知らないその様子から、瑛が犯人ではないことが分かる。そして母親の名前はメトリーであり、瑛とは愛人関係にあったことも判明した。
続いて怜子の前に姿を現すと、怜子は耳をつんざくような悲鳴をあげて一瞬取り乱したが、すぐに冷静さを取り戻しハサミを持ち出し殺そうと襲ってきた。変装したミギは必死に逃げた先で瑛二と遭遇してしまう。家の異変を察して様子を見にきたのだった。瑛二に姿を見られ、万事休すかと思われたが、瑛二はかなり怯えた様子で「お化けだ」と言い、逃げていってしまった。この反応で母親を殺したのは瑛二だと分かったのである。

瑛二の秘密

一条家から家へ帰ることができたミギとダリは再び学校へ通うようになった。
犯人が瑛二だと分かったミギとダリは、なぜ殺したのかを調べることにする。ダリはミギに普段通り学校生活を送るよう言い、自分は女装してサリーとして瑛二に接近し、秘密を探るため行動を開始した。
瑛二はメトリーの姿を見て以降体調を崩し、何を食べても吐いてしまうようになっていたが、誰よりも完璧な姿でいたいため、それをひた隠しにしていた。
ダリはそんな瑛二の姿を目撃して弱みを握り、みんなに秘密にする代わりに恥ずかしい姿を見せるよう要求し、幼い頃の写真を持って来させ、昔の話をするように命じる。
写真を確認すると、母親が殺されたのは12月24日と25日の間であることが分かった。
また別の日にダリは空き教室に瑛二を呼び出し、話を聞こうとしていたが、サリーが帰ってきたことに気づいたミギが乱入してきてしまう。作戦を続けるため、ダリは瑛二と付き合っているのだと嘘をつく。

瑛二からサリーとして好感を得ることに成功したダリは、瑛二の家に遊びに行くこととなった。瑛二を眠らせて催眠状態にし、5歳のクリスマスの話を聞き出そうとするが、もう少しで重要な部分を聞けそうなところで眠ってしまった。
そこへサリーを諦めきれないミギが窓からやってくる。焦るダリの背後から瑛二が来て、ミギの姿を見るなり突き落とした。間一髪ダリが腕を掴むが、必死のあまり地声で話してしまい、ミギにサリーの正体を知られてしまう。ミギはなんとか自力で地上に降り、走り去ってしまった。
催眠が解けた瑛二は、5歳のクリスマスに窓から現れた女性を突き落としたことを思い出し、そのことをダリに告げた。

1人での復讐

真実を知ったダリは急いで家に帰り、復讐を決行することをミギに伝える。しかし恋心を弄ばれたミギは怒っていた。それからしばらくミギはダリと距離を取るようになり、秋山の部屋で匿ってもらうことになった。ダリはミギを説得するため、秋山の部屋を訪れるが、突っぱねられてしまう。

ミギを失ったが、ダリは1人でも復讐を成し遂げると母親の墓の前で誓う。1人でも十分だと色々行動するが、どれもあまり上手くいかなかった。
そんな中で、ダリは村でハロウィンの仮装イベントが開催されることを耳にする。さらに毎年瑛二が優勝していることを知ったダリはそこで瑛二へ復讐することに決めた。優勝者が座る玉座に仕掛けをして、瑛二が座ったところにかぼちゃが落ちてくるという作戦であったが、その年の優勝者は秋山とともに鳥の仮装で出場していたミギだった。
ダリは急いでミギを助けに走るが、ミギは玉座に座ってしまう。そこへかぼちゃが落ちてきたところを瑛二がかばい、頭にぶつかってしまった。
ミギは無事であり、瑛二も入院はしたが幸い命に別状はなかった。

ミギを失いかけたショックと、これまでのストレスからダリはしばらく寝込んでしまう。その間、ミギは瑛二がなぜ自分を助けたのかを知るために、サリーに変装して一条家を訪れた。どうして秘鳥を助けたのかという問いに瑛二は「罪を償いたかった」と答えた。
そうしてミギにオリゴン村のジオラマや村を監視していることなど、一条家の秘密を話す。また、怜子がメトリーに関することや一条家の秘密を知る者は排除するつもりであり、秘鳥を怪しんでいることを教えてくれた。その最中、怜子が入ってきて秘密を知ったミギを殺そうと襲ってくる。

なんとか一条家から逃げ帰るが、家にはすでに怜子が潜んでおり、ミギとダリは捕まってしまった。絶体絶命の時、消えたはずのみっちゃんが現れて2人を逃がしてくれた。
1度は村から逃げた2人だが、再び園山夫婦とともに家族として暮らしたいという願いから、一条家と戦うために村に戻る。

明かされる真実

村に戻ったミギとダリは、秋山と丸太に協力を仰いで「ビーバーズ」を結成し、一条家の闇を暴くために行動を開始する。
2人は瑛二を人質として怜子をおびき出し、過去について話をさせた。

怜子は子どもを産めない体だと医者に告げられていた。そこでハウスキーパーとして雇っていたメトリーに、自分の代わりに子どもを産むように言いつける。
メトリーは無事子どもを授かり、怜子はこれで自分が望む完璧な家庭が築けると思っていた。しかし夫がメトリーのことを愛してしまっており、それを知った怜子は激しい嫉妬にかられる。そして正常な精神ではなくなってしまった。

メトリーは存在を隠されるように監禁され、その中で三つ子を出産した。2人は金髪のミギとダリ、そして1人は黒髪で父親似の瑛二だった。
怜子は瑛二だけを自分の息子として奪い取ったのである。正常ではないため本当に自分が産んだのだと思い込んでいた。

真実を知った瑛二は、怜子を刺して家に火をつけた。怜子の過去も瑛二の秘密も全てこれで終わらせようとしていたのだった。
ミギとダリたちはなんとか逃げ出したが、2人は怜子とともに死のうとしている兄弟を放ってはおけず、再び火が渦巻く家の中へ救出に向かった。そして3人ともなんとか無事に逃げ出すことができたのである。
瑛二は、母親の殺害や放火について自首をして、少年院に入ることになった。
ミギとダリは無事園山家に帰ることができたが、ダリは顔に火傷を負い、秘鳥として表に出ることができなくなってしまっていた。そして今後一生ミギの影として生きていくことを決心していた。
しかしクリスマスの日、プレゼントは2つ用意されていた。実は園山夫婦は秘鳥が2人いることを見抜いていたのである。そして改めて園山家としてミギとダリの2人を温かく受け入れてくれた。

成長したミギとダリ

3年後、ミギとダリは16歳になった。瑛二も少年院から出て、園山家でパーティーをすることになる。一条家と秋山、丸太も参加して楽しく賑やかに過ごした。
ダリは進学校に進むため家を出ることになり、2人はそれぞれ別の道を歩むことになる。ミギはオリゴン村に残り、新進気鋭の前衛アーティストと自称して生きていくことにしたのだった。ダリを見送る際、ミギはあっさりと別れを告げた。
そしてダリの乗る列車を見ながら、別の人生を行くことになっても、2人の心は繋がっているのだと考えるのだった。

『ミギとダリ』の登場人物・キャラクター

主人公

園山 ミギ(そのやま みぎ)

avec-toi7
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@avec-toi7

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