ブレンド・S(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレンド・S』とは中山幸によって2013年から月刊誌『まんがタイムきららキャラット』で連載されていた、喫茶店での恋愛をテーマにしたコメディ4コマ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。見どころは喫茶店スティーレの従業員が各々の「属性」を演じて接客をするところ。「属性」を演じているのはホール担当の従業員で苺香、夏帆、麻冬、美雨、ひでりの5人いる。主人公である苺香がスティーレでの働きを通して成長していく物語である。

『ブレンド・S』の概要

『ブレンド・S』とは中山幸によって2013年から月刊誌『まんがタイムきららキャラット』で連載されていた、喫茶店での恋愛をテーマにしたコメディ4コマ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。
主人公の桜ノ宮 苺香(さくらのみや まいか)は海外留学の資金を貯めるためにアルバイトを探していたが、ことごとく面接で不採用となっていた。それは、生まれつき自分の目つきが悪いためだと考えて悩んでいた。だが電車で移動中に喫茶店を経営する店長のディーノと出会って、スカウトされて彼の経営する喫茶店で働くことになる。実は、そこはウェイトレスがそれぞれに与えられた「属性」になりきって接客する喫茶店であり、苺香はディーノに「ドS」キャラを演じることをリクエストされる。最初こそドSを演じることに抵抗を感じた苺香だったが、ほどなく天然のドS接客をこなすようになり、アルバイトを続けていくことになる。
「属性」を演じているのはホール担当の従業員で主人公の苺香、日向 夏帆(ひなた かほ)、星川 麻冬(ほしかわ まふゆ)、天野 美雨(あまの みう)、神崎 ひでり(かんざき ひでり)の5人である。それぞれの「属性」は、苺香は「ドS」で夏帆は「ツンデレ」、麻冬は「妹」、美雨は「お姉さん」、ひでりは「アイドル」となっている。アルバイトを続けていくことで従業員たちの成長と恋愛などがコメディで描かれている。

『ブレンド・S』のあらすじ・ストーリー

ついにバイトを見つけた苺香

桜ノ宮苺香(さくらのみや まいか)は幼少期に自分の家に訪れた外国人に憧れを抱き、その時の憧れを胸に海外留学を夢見ていた。そして16歳となり高校生になったので、夢の海外留学のための資金集にアルバイトをしようと試みていた。だが、何度アルバイトの面接を受けても落ち続けた。自分の目つきの悪さのせいでなかなか受からないことに落ち込んでいた。しかし、そんな苺香の前に突如現れた金髪の外国人・ディーノから「好きです」と突然言われ、戸惑っていると「間違えました。私の店で働きませんか?」と言われた。さんざん探して受けても落ち続けていたアルバイトの話が降ってわいたように、苺香の下にやってきた。少し考えてから、苺香はこの仕事の話を受けてみることにした。こうして、働きたくても働けずに落ち込んでいた苺香は、アルバイトが見つかった。

初めてのバイトが決まり、早速働くことになった。苺香が働くことになった所は、喫茶店で名前をスティーレという。働いているのは厨房には、スカウトしてきたディーノともう1人の秋月紅葉(あきづきこうよう)の2人。ホールのスタッフには苺香が入って3人となり、他には日向夏帆(ひなた かほ)と星川麻冬(ほしかわ まふゆ)の2人がいた。苺香は働くところが喫茶店であると理解して、そこで自分の目つきの悪さで接客しても大丈夫かと不安になる。そんなことを考えていると店長であるディーノから「苺香さんはドSキャラでお願いします」と唐突に言われた。ドSキャラという言葉と頼まれたことに困惑していると、他のスタッフが「ここはスタッフが属性を演じて接客する喫茶店なのよ」と教えてくれた。その後、スティーレという喫茶店のシステムや属性というものについて教えてもらった。苺香は自分の目つきの悪さを利用してドSキャラになりきれるか不安だったが、こんな私がやっと手に入れた仕事なのだと一念発起し、この属性を演じての接客をやることを決意した。
苺香は自分がドS担当になったことから、ドS接客の練習を始める。 自分が思うような接客はできないものの、お客が店から出る時に見送る時の対応など意外なところで発揮される苺香の天然ドS。実は苺香は目つきが悪いだけでなく、ドSの才能があったのだった。そのため、喫茶店では人気が出てきて、お客にも認められるようになってきた。

そしてスティーレでは毎シーズン恒例の新メニュー対決が開催されることになったのである。夏帆と秋月、店長ディーノの3人チームと苺香と麻冬の2人チームに分かれて作戦会議をはじめた。

コンセプトカフェのスティーレ

主にホール担当が属性を演じて接客するというコンセプトの喫茶店スティーレで働き始めた苺香。仕事も覚えて、自分が担当するドSキャラにも磨きがかかってきた頃、毎シーズン恒例の新メニュー対決が開催されることになった。夏帆と秋月と店長のチーム、苺香と麻冬のチームの2人1組のチームで新メニューを考案し、店で1日限定での販売をする。その販売数が多い方のチームが勝者となり、今シーズンのメニューとなるのである。
毎回恒例の対決であり、勝者には店長より好きなものを1つ貰えるという副賞がついている。そのため麻冬は、この対決に並々ならぬ想いがあり、今回も絶対に勝ちたいと燃えていた。そして秋月と店長はもう今回の勝負に出すメニューは決まっているようだった。夏帆も異論は唱えず、こちらの3人のチームは今回の勝負に出すメニューは生クリームと蜂蜜が沢山かかったふわふわで厚さのあるパンケーキを5段に重ねたものに決まった。
夏帆と秋月、店長チームの新メニューが決まった頃、麻冬と苺香のチームは会議を続けていた。並々ならぬ気持ちで挑む麻冬は、今回はパフェで行こうと提案する。その手案に賛同した苺香し、追加でパフェにウサギの形がしたチョコを乗せてほしいとお願いした。こうして2人のチームは、ウサギ型のチョコとアイスや生クリームがたっぷり乗った大きなパフェとなった。
こうしてお互いのメニューが決まり、決戦当日となった。この日は新メニューの決める決戦とあってか、喫茶店は大盛況だった。最初は均衡し接戦だったがだんだんとパフェの方が売れるようになり、そのままパフェの勝利となった。お店終了後に、苺香の作ったパフェを食べたいと思い、店長は1つ取っておいた。そのパフェを1口食べると、白く消え去るほどに不味かった。何を入れたのと苺香に聞くと、砂糖の代わりに塩をいれ、美味しくなると思って酢を入れ、そして最後に赤色を付けるためと思ってタバスコを入れていた。お客も気絶する程に不味かったと思うが、なぜ売れたのか不思議だった。だがどうやら、このくそ不味いパフェを食べさせて「美味しいですか?」と笑顔で聞く苺香のドSプレイだと勘違いされて売れたのだった。だが、こんなメニューを追加する訳にいかず追加はなしとなった。

決戦の次の日。苺香はお店に行くと、麻冬にコスプレをさせられ、写真撮影会が始まった。とまどう苺香は「なんですかこれは?」と聞くと、麻冬が「これが私の欲しかったものなの」と言われた。どうやら、コスプレ衣装を買って貰い、苺香に着てもらってコスプレ写真撮影会が麻冬の願望のようだった。
こんな感じでコンセプトカフェのスティーレでの日々が続いていく。

スティーレでの日々

苺香をデートに誘いたい店長のディーノは、苺香に「慰労を兼ねて休日にお出掛けしませんか?」と誘った。その誘いを快諾したが、苺香はその話を慰労だから他のメンバーも声をかけた方がいいかと思い、他のメンバーにも声をかけていた。
そして当日2人だけのデートだと思っている店長は、張り切って待ち合わせ場所に向かうが、そこには秋月と夏帆の2人の姿があった。それを見た店長は膝から崩れ落ちた。いきさつを話し、それぞれが納得した状態で、4人で買い物に出掛けることになった。だが4人での買い物も結構楽しかった。その日の最後に店長と苺香はお揃いクマの人形のキーホルダーを交換することで、少しだけ2人の関係が進展し今回の慰労会は終了した。

ある日、18歳以上しか見る事が出来ない同人誌を店の一画に忘れていった人がいることが発覚した。この同人誌をどうするか考えていると、麻冬の提案で「自費出版本の忘れ物をお預かりしております」の貼紙を貼っておくことになった。すると次の日には、忘れ物をした本人が取りに来た。18歳以上しか見る事が出来ない同人誌の持主が美女だということに、世界の広さを感じる、夏帆と苺香だった。だがその次の日に、その人物が自分たちの職場である喫茶店スティーレで働いていた。その女性は天野美雨(あまのみう)と言い、先の同人誌の作者でペンネームは花園フォルダ(はなぞのふぉるだ)だった。今回スティーレで働きたい理由は同人誌のネタがなく、そのネタの探索のためだと言う。美雨は属性のお姉さんを担当することになった。セクシー感の足りなかった、喫茶スティーレで美雨は新しいキャラクターとなった。こうして新しいメンバーが加わった。

ホール担当が4人となって幾日か過ぎたある日に、ポニーテールの日が開催されることになった。苺香がスティーレに行くと、夏帆と麻冬はもうポニーテールになっていた。そして、「苺香ちゃんもポニーテールにしよっか」と言いながら夏帆が苺香のお下げに縛られている髪を解くと、苺香の髪がハリネズミの様に暴発した。どうやら苺香の髪は縛っていないと、纏まることはなく髪がバラバラになってしまうらしい。そんなことを話していると店長が「自分が使っている外国のヘアシャンプーなら、綺麗に纏まると思いますよ」と使っていないヘアシャンプーを1つあげた。無意識に店長が自分の株を上げて、ポニーテールの日は終了した。

スティーレメンバーで夏旅行

季節は夏となり、スティーレメンバーでさわやかな風の吹く川べりで親睦バーベキュー会が始まった。苺香は川に入ったり山の風景を楽しんだりとはしゃいでいる。だが苦手なアウトドアで居場所をなくすインドア派の夏帆・秋月・美雨は各自持ってきた、ゲームや本を出してきて日陰で遊び始めた。「こっちに来て一緒に遊びましょうよ」との店長の言葉を「おかまいなく」と断り、日陰から出ない。そんなこんなで、それぞれが持ち寄った食材で、バーベキューの準備を始めた。バーベキューを始めると匂いに誘われ、日陰にいた夏帆・秋月・美雨の3人も日の当たる所に来ていた。結局全員でバーベキューを楽しんでいると、最後に苺香が自分の持ってきた食材を出して来た。その食材をみて、全員がド肝を抜く。それは、マグロ1本をまるごとだった。マグロのバーベキューを楽しみ、川辺での親睦会が終了した。

次は海に行きたいということで、前回の川辺親睦会に参加できなかった麻冬も含めてホール担当の5人と、厨房担当の2人で海に行くことになった。海となるとインドア派だった夏帆ははしゃぎ、苺香と夏帆は海を満喫していた。だが変わらず、秋月と美雨そして麻冬はインドア派な楽しみ方をしていた。
それぞれの楽しみ方をしている中で、全員にかき氷を買うことになった。店長と苺香でかき氷を買いに行くことになり、2人で海の家に向かった。砂浜を歩いていると、苺香が足を怪我してしまった。これは大変と慌てた店長は、絆創膏と包帯を探してきて苺香の足に絆創膏を貼って包帯をグルグル巻きにした。切り傷だが歩くことが出来ない程になり、店長がおんぶして他のメンバーがいる場所に帰った。帰ると他のメンバーから「かき氷は?」と言われ、すっかり忘れていることに気が付いた。こうして海を満喫し、スティーレメンバーの夏は終わりを迎えた。

最近のスティーレは大繁盛で、すっかり人手が足りなくなってしまった。忙しくて手が回らないため、新たにバイトを募集するとさっそく、とある希望者が面接にやってきた。可愛らしい見た目と自分のことを僕と言う「僕っ子」の登場に、苺香や夏帆たちスタッフは盛り上がるが、なぜか店長のディーノだけは即答しない。それもそのはず、そのバイト希望者である神崎ひでり(かんざき ひでり)の正体はどう見ても見た目は女の子だが、れっきとした男性であり女装している男の子だったのだ。だが、こんなに面白い人材は中々いないということになり、働いてもらうことになった。ひでりの属性は、ひでり自身がアイドルを目指しているということで、アイドルを担当することになった。

店長と苺香のすれ違いの日々は続く

出勤前に、大型の捨て犬を拾ってしまった苺香がスティーレに犬を連れてきた。苺香の自宅では飼えないため里親を探さねばならないが、誰も引き取ることができない。よく見ると目つきが苺香に似て、きつい目つきである。この犬の里親が見つかるまで、ディーノの部屋で預かることになり、ディーノは犬の世話に追われることになった。毎日深夜アニメを見る事が日課だったディーノにとって大変なストレスとなった。だが心理的なストレスはあるものの身体的には健康な時間での生活となった。だが結局、飼い主は見つからず、ディーノが飼うことになった。苺香の提案でオーナーという名前が付く。由来は店長の上に乗っている所を見て思いついた名前だった。
オーナーの世話を申し訳なく思った苺香は、お礼にお菓子を作って食べてもらうことを思いつく。毎日お菓子を作っては食べてもらった。喜んで食べるディーノに対し嬉しくなった苺香は、どんどん量が増えていく。ある日ディーノを見ると太ってきたことに気が付いた。それを見た麻冬から「そんなんじゃいけないから痩せなさい」というお叱りをうけ、ディーノはダイエットを兼ねて公園でオーナーと運動を始めた。
ある日の休日苺香と一緒にオーナーを連れて公園に出かけたディーノはダイエットにもなり、苺香との夢のような時間を過ごせてとても有意義な1日になった。この頃からディーノは苺香に本気で告白をすることを心に決めていた。

そして冬が到来し、スティーレメンバーでスキー旅行に行くことになった。そこでディーノはついに苺香に告白しようと決意する。だが決意を決めたディーノを風呂上がりの苺香が突然呼び止め2人で休憩がてら、長椅子に座ることになった。長い沈黙の中、これは苺香からの逆告白なのかとドキドキしていると、長い沈黙に耐えきれなくなったディーノは葛藤の中遂に「好きです!苺香さんが!大好きです!!」と告白する。告白し、相手の反応を待っていると、何も反応はない。ディーノはおそるおそる苺香を見ると、何とそこにはディーノに寄りかかって眠ってしまった苺香の姿があった。一世一代の告白が聞いてもらえなかったということに意気消沈したディーノだった。
ところが翌日、夏帆、美雨、麻冬は苺香から思いもよらない衝撃的な告白を聞くことになった。実は、店長であるディーノから告白されたことを夢で見ていて、「すごく恥ずかしくて嬉しい夢をみたのです」と3人にいった。ディーノは脈なしかと思っていたが、実は苺香もディーノが気になっていたのである。だがちょっとだけ2人の思いはすれ違いとなってしまった。ここから店長ディーノと苺香の2人のすれ違ったまま人の日々は続いていくのであった。

『ブレンド・S』の登場人物・キャラクター

スティーレ

桜ノ宮 苺香(さくらのみや まいか)

CV:和氣あず未

喫茶店スティーレで、ホール係として働いている少女。4月4日生まれで、年齢は16歳。黒髪のロングヘアを、シュシュを使って二つに束ねている。目つきが悪いせいで人をにらんでいると勘違いされる事が多く、コンプレックスを抱いている。性格は温厚で礼儀正しく、気遣い上手。だが天然のうえに言葉足らずでドSな言い方をしてしまうことが災いして他人には誤解されやすい。バイトに受からない日々が続いたなど、目つきが悪いことが苺香自身の悩みでもある。しかしながらディーノにはそういった性分を含めて一目惚れされ、ディーノの喫茶店にドSキャラとしてスカウトされる。そのためスティーレでは、ドSキャラを担当している。

日向 夏帆(ひなた かほ)

CV:鬼頭明里

喫茶店スティーレのオープニングスタッフの1人。8月12日生まれで、年齢は17歳。金髪をツインテールにしており、胸が非常に大きい。活発な性格ながら、インドア派で人見知りである。ゲームが大好きで、ソーシャルゲームなどあらゆるゲームに精通しており、そのテクニックも相当なものである。スティーレのウェイトレスの中では一番人気。秋月紅葉とは同期入店で、お互い何となく意識し合う間柄である。スティーレでは、ツンデレキャラを担当している。

星川 麻冬(ほしかわ まふゆ)

CV:春野杏

喫茶店スティーレで、ホール係として働いている女性。12月23日生まれで、年齢は20歳。癖のある茶髪をショートカットにしており、小学生と見間違えるほど背が低い。クールな性格で、非常に現実的な価値観の持ち主。また、三人の弟がいるため世話上手で、同僚の日向夏帆に対しても勉強を見てあげるなどよく世話を焼いている。キッズアニメが好きで、毎週欠かさず見ている上、ほとんどのなりきりグッズはコンプリートしている。スティーレでは、妹キャラを担当している。

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