コーヒー&バニラ(コヒバニ)のネタバレ解説・考察まとめ

『コーヒー&バニラ』とは、2015年から朱神宝が小学館の『Cheese!』で連載している漫画作品。大学進学のため、田舎から上京した主人公の白城リサは、パーフェクトイケメン社長の深見宏斗と付き合うことになった。しかし、深見の過去やライバルの出現によって、甘い2人の関係に苦味が混ざっていく。リサのシンデレララブストーリーは、幅広い世代の女性の心を鷲掴みにする。2019年には毎日放送にて、福原遥主演で実写ドラマ化され、多くの反響を呼んだ。

『コーヒー&バニラ』の概要

『コーヒー&バニラ』とは、朱神宝が2015年から小学館の『Cheese!』で連載している恋愛漫画である。
田舎から上京して大学に通う主人公の白城リサ(しらぎ りさ)が、イケメン社長の深見宏斗(ふかみ ひろと)と出会い、交際を始める。深見に溺愛されるリサのシンデレララブストーリーは、多くの世代の女性達を虜にした。2018年度の「LINEマンガ」の年間売り上げランキングで第1位にランクインするなど、人気の高い作品である。
2019年7月5日からは、毎日放送の「ドラマ特区」にて実写ドラマ化。主人公のリサは福原遥、深見は桜田通が演じた。ローカルドラマでありながら、「TVer」の見逃し配信では再生回数が100万回を超え、第1話放送後にはTwitterで「#コヒバニ」がトレンド入りするなど、多くの反響を呼んだ。

主人公のリサは、恋愛や都会に憧れて自分を磨き、大学進学を機に田舎から上京した。ひょんなことから、パーフェクトなイケメン社長・深見と付き合うことになったリサは、初めて彼氏が出来たことや恋人と過ごす甘い時間に幸せを感じていた。しかし、深見には胸に秘めた暗い過去があり、2人のライバルも現れ、甘さと苦味の混ざる恋愛模様を繰り広げていく。

『コーヒー&バニラ』のあらすじ・ストーリー

二人の出会い

主人公の白城リサは、田舎育ちで都会で恋愛をすることに憧れていた。そして、大学進学を機に上京した。しかし、恋愛経験はなく、声をかけてくる男性に戸惑って避けているうちに高嶺の花「リサ様」と呼ばれるようになっていた。

ある日、リサがナンパされて困っていると、一人の男性が助けてくれた。それが深見宏斗だった。深見はリサに一目惚れしたと言って告白し、二人は交際を始める。後日、リサの大学に特別講師として深見がやって来た。リサはそこで初めて、深見が飲食店や結婚式場、ホテルを経営するFUKAMIホールディングスの代表取締役社長だということを知る。

リサと深見がデートをしていると、二人の前に阿久津孝晃(あくつ たかあき)が現れる。阿久津は、FUKAMIホールディングスのライバル企業・阿久津コーポレーションの社長で、深見の大学時代の同級生だった。リサに興味を抱いた阿久津は、深見への嫌がらせでリサに無理矢理キスをする。深見はリサを連れてすぐにその場を立ち去った。阿久津へ向ける深見の視線は、とても冷たく鋭いものだった。後日、FUKAMIホールディングスが海外進出を果たし、ライバル企業である阿久津コーポレーションの株価は急落した。それは、深見から阿久津への仕返しだった。

阿久津との一件が落ち着くと、リサと深見は共にリサの実家へ帰省する。両親は、リサが深見に弄ばれているのではないかと疑った。そのことにショックを受けるリサだったが、深見がどれだけリサを思ってくれているかを訴える。その後、深見のリサへの気持ちが本気であることが伝わり、リサの両親も二人の交際を認めた。

リサの親友で幼馴染の芦屋なつき(あしや なつき)が上京してきた。なつきは、空港で偶然見かけた深見に一目惚れしたのだと言う。リサは深見は自分の恋人であると話すが、なつきは納得できずに、三人でデートをすることになる。そのデートでリサは深見を渡すことはできない、となつきに宣言した。今までリサがなつきに対して、強く主張することはなかった。リサの懸命さが伝わり、なつきは深見のことを諦めた。

その後、なつきは東京でアルバイトを始める。そのバイト先のオーナーは、阿久津だった。初対面から失礼で馴れ馴れしい阿久津を警戒するなつきだったが、阿久津はそれでもしつこく絡んでくる。そんな時、ひょんなことからなつきは、阿久津の家でシャワーを借りることになる。そして、阿久津は深見のことを忘れさせてやると言って、なつきに迫った。以降、なつきは阿久津に振り回されながら、セフレ以上恋人未満の関係を持つことになる。

立ちはだかる試練

リサがストーカーの被害に遭ったことをきっかけに、リサと深見は同棲を始める。そして、そこに深見の秘書・市柳雪(いちやなぎ ゆき)が居候することになった。市柳はリサに対して厳しく接し、深見の婚約者としての覚悟を問う。リサは深見の婚約者として認められるためにマナーや教養の勉強を始め、覚悟を決めた。市柳は、リサと深見の婚約に反対する人々に対抗するため、リサが覚悟を決めるように仕向けていたのだった。そして深見は、世間にリサとの婚約を発表した。

社長と秘書以上の関係に見える深見と市柳の関係が気になったリサは、市柳に尋ねる。市柳は、幼い頃から深見の秘書となるよう父親に言われて育った。高校一年生の時から深見と話をするようになり、深見が重圧に耐えながら努力していることを知った。それからは、父親の命令ではなく、自分の意志で深見を支えたいと考えるようになった。深見もまた、市柳のことは無条件で信頼している。

深見の元に深見の母親・北嶋茜(きたじま あかね)から連絡がくるようになる。しかし、深見は男好きな性格の茜を嫌って、その連絡を無視していた。すると、茜はリサに接触してきた。茜の仮病に騙され、家へ招き入れたリサだったが、仮病だとわかると安堵し、泣いて喜んだ。リサの純粋な心に、深見と茜は毒気を抜かれる。そして茜は、深見に今までにしてきた母親らしからぬ行動について、心から謝罪した。茜は、深見に対してずっと罪悪感を抱いていたが、素直に謝罪することができなかった。さらに、茜は再婚して海外に移住する予定で、深見に謝罪するチャンスはこれが最後だった。リサのおかげで、深見と茜は関係を改善することができた。後日、茜は日本を発った。

そんな中、二人に最大の危機が訪れる。ある日、深見は自分の後を尾ける不審な男の存在に気づく。それは、深見の弱みを握ろうとする、とある企業の社長が仕向けたものだった。その社長は、深見のリークによって横領の罪で逮捕されたものの、リサが不審な男に誘拐されてしまう。男の狙いは、リサを人質にして深見に身代金を要求すること。その時、リサは初めて自分が深見の弱みになってしまうことを知った。幸い、リサは深見によって無傷で救出された。しかし、そのために深見は怪我を負ってしまう。自分がそばにいると、また深見に迷惑をかけてしまうと考えたリサは、深見に別れを告げて実家に戻る。リサも深見も、別れた方がお互いの為だと思う一方、互いを愛する気持ちは止められなかった。深見は必ず守ると言って、リサにプロポーズをした。深見のことを諦められない自分の気持ちを理解したリサは、深見のプロポーズを受け入れた。こうして、二人は最大の危機を乗り越えた。

結婚

両親や友達に祝福され、リサと深見は結婚の準備を進める。ウェディンドレスのデザインは、深見の知り合いのデザイナー・早乙女唯(さおとめ ゆい)に依頼した。リサが、深見と早乙女の浮気を疑うこともあったが、すぐに早乙女が男であることが判明する。

深見に実家から連絡がくるようになった。リサと深見は、深見の父親・深見雅人(ふかみ まさと)へ結婚の挨拶に行く。しかし、雅人はリサに金を渡す代わりに、深見と別れるように言う。リサはただ深見を愛しているだけで、金が目的ではないと訴えるが、雅人は理解してくれない。後日、リサは再度雅人に会いに行った。その時、階段から落ちそうになった雅人を庇って、リサは怪我を負った。リサが病院に運ばれると、連絡を受けた深見や友達が次々と駆けつける。幸い、リサの怪我は捻挫程度で、命に関わるものではなかった。リサはそれを知って安堵した友達に囲まれる。その様子を見ていた雅人は、リサがとても純粋で、周囲に好かれていることを理解する。雅人は、会社のことだけを考え、人との繋がりも何もかもを捨ててきた。そのため、親しい友達はおらず、妻と離婚し、息子とは疎遠になってしまった。会社の利益のためならそれでも良いと考えていた雅人だが、友達に囲まれて笑うリサを見つめる表情は、寂しげなものだった。リサの気持ちがお遊びではなく、深見と共に歩む覚悟を持っていることを認めた雅人は、二人の結婚を了承した。こうして、リサと深見は結婚のための最大の難所を乗り越えた。

リサと深見は、二人で婚姻届を提出しに行った。そして、深見は初めてリサに「愛してる」と伝える。これまで他人の愛情を疑って育った深見は、「愛してる」という言葉を嫌悪していた。その為、リサにも「愛してる」とは言っていなかったのだ。しかし、リサが雅人に深見のことを愛していると言ったのを聞き、その言葉の尊さを知った。互いの愛を確かめ合い、二人はついに夫婦となった。

結婚式当日、式を行うハワイにはリサと深見の家族や親しい人々が集まり、二人の結婚を祝った。愛する人と結婚することができたリサは、とても幸せな気持ちに包まれる。

深見の妻として

晴れて深見の妻となったリサの前に、海外の超一流ホテル会社の息子であるレオン・デイビスが現れる。レオンは深見のことが好きで、深見の妻となったリサを嫌悪していた。リサは、深見の妻として恥ずかしくないよう、深見の仕事関係の勉強を始めた。リサと深見の結婚披露パーティーで、レオンはリサに意地の悪い発言をする。しかし、リサは勉強した知識を活かしてレオンを言い負かす。それによって周囲は、リサを深見の妻として認めた。また、深見はレオンに二人きりで話をする。リサのことを話す深見の表情はとても幸せそうで、レオンはリサのことを認めざるを得なかった。

リサは、就職活動の時期を迎え、FUKAMIホールディングスの採用試験を受けることを決める。そこで同じ就活生の瀬名(せな)と日倉奈央(ひくら なお)と出会う。しかし、リサは自分と他の就活生達の「FUKAMIホールディングスで働きたい」という気持ちには差異があると感じていた。一方、深見は自分の知らないところでリサが新しい人々と出会い、リサの世界が広がっていくことに寂しさを感じていた。そして、深見が心の奥では「就職なんてしなくていい」と思っていることを知ったリサは、就職をやめて妻として深見を支えていくことを決めた。

『コーヒー&バニラ』の登場人物・キャラクター

主要人物

白城 リサ(しらぎ りさ/演:福原遥)

本作の主人公。九州の田舎から、大学進学を機に上京してきた。高校まではあまりモテなかったが、都会で恋愛することに憧れて自分を磨いた。努力が実を結び、多くの男性に声を掛けられるようになる。しかし、恋愛経験が乏しいためにナンパ男性を避けていたところ、高嶺の花だと思われて「リサ様」と呼ばれるようになってしまった。性格はとても純真で素直。思ったことがすぐに顔に出てしまう。

深見 宏斗(ふかみ ひろと/演:桜田通)

深見ホールディングスの代表取締役社長。イケメンで紳士的なパーフェクト社長。ナンパされていたリサを助け出し、付き合うことになった。
男好きな母親や会社の利益しか考えない父親を見て育ち、大人の汚い部分を見てきたため他人を信用していなかった。そのため、女遊びにのめり込むなど、荒れた学生時代を過ごした。
秘書の市柳とは高校2年生の頃からの付き合いで、その時から無条件の信頼を寄せている唯一の相手。

友達

吉木 翼(よしき つばさ/演:小越勇輝)

リサの大学の同級生。リサのことが好きで告白したが、深見には勝てないことを悟って諦めた。その後はリサの男友達として仲良くしている。

芦屋 なつき(あしや なつき/演:喜多乃愛)

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