迷宮組曲 ミロンの大冒険(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『迷宮組曲 ミロンの大冒険』とは、1986年に日本のゲームメーカーであるハドソンから発売されたファミリーコンピュータ用アクションRPG。
プレイヤーは主人公である「ミロン」を操作し、魔人マハリトを倒して奪われた楽器を取り返し、王女エルシラを救出する事を目指す。
タイトルの「組曲」という単語も大切な要素となっており、「音楽」が全体を通して雰囲気の軸となっている。
中でもストーリー進行に合わせてゲーム画面中だけでなく、BGMにも変化が起こるボーナスステージの演出は印象的。

『迷宮組曲 ミロンの大冒険』の概要

『迷宮組曲 ミロンの大冒険』とはハドソンからリリースされたファミリーコンピュータ向けアクションゲームである。
本作は後に「ミロンシリーズ」と呼ばれる事もあるシリーズ作品の第一作目である。

ゲームは、冒険の舞台となる「ガーランド城」の外観から始まり、城の扉や窓から様々な部屋に入り攻略していく事となる。
プレイヤーは主人公の「ミロン」を操作し、いくつもの部屋を怪物や仕掛けをくぐり抜けながら攻略し、様々なアイテムを発見・駆使して城の最上階を目指す。
そして最終ボスである魔人マハリトを倒し、囚われの王女を救い出すのが最終目的となる。

基本アクションはAボタンによるジャンプとシャボン玉状の攻撃である「バブル」をBボタンで発射する2種類。
バブルは敵キャラクターを攻撃するだけでなく、部屋の中の隠された仕掛けを発見する際にも活躍する。
また、アクションゲームによくあるオーソドックスなパラメータとしてミロンには体力も設定されており、敵キャラクターの攻撃を受けるたびに減っていき、0のときに攻撃を受けるとゲームオーバーとなる。

ミロンの耐久力が低い事や、セーブ機能が搭載されていない点など難易度はかなり高いと評価される事の多い作品である。
しかし、前述の通り続編にあたる作品もリリースされているように全体を通してユーザーからの評価は高く、名作と称される場面も多い。

現在では当たり前のようになっているBGMが作中の進行とリンクするような手法もリリース当時は新鮮な物であり、ゲーム表現のすそ野を拡げた点も注目したいポイントである。

『迷宮組曲 ミロンの大冒険』のあらすじ・ストーリー

冒険の始まり

物語の舞台は体に触れただけでお互いの心を通わせ、分かり合う事のできる能力を持った人々が暮らしている音楽があふれる平和な星「エプシロン星」。
エプシロン星には文字や言葉といった文化は存在せずに、離れた場所にいる人への意思を伝える時には音楽が用いられていた。
だが主人公であるミロンにはエプシロン星に住む者には当たり前に備わっているはずの能力が無く、人の気持ちが理解できず、更に楽器を上手く使うこともできなかった。
ある日、ミロンは自分のような人間を捜すため旅に出ることを決意した。

ミロンが旅立とうとしているのと時を同じくして、ミロンが住んでいたイシュタル村に恐ろしい危険が迫っていた。
イシュタル村の長老は迫り来る危険を村に近い7つの谷に伝えるために伝令を送ったものの、誰一人として長老の呼びかけに答える者はいなかった。

ミロンは故郷の危機に際して、この謎を解くために7つの谷を治める王女エルシラに会う事を最初の目的とする。
王女が住むロクタスの街にたどりつくミロン。しかし最初の伝令が届いているはずのロクタスの街でミロンが目撃したものは、楽器を奪われて困り果ててしまっている街の人々の姿であった。
脅威の元凶は北の果てに住む魔人マハリト。
マハリトはエルシラの住むガーランド城を占拠し、王女を城の奥深くに幽閉した上で奪った楽器を隠してしまっていたのだった。

ミロンは奪われた楽器を取り戻し、魔人マハリトを退治し、そして王女エルシラを助け出すためガーランド城へと挑む。

城の1階

ガーランド城1階の迷宮

ガーランド城の1階、外壁からプレイヤーの操作が始まる。
ミロンはまず外壁から入ってすぐの迷宮に挑む事になる。
城の中は怪物に埋め尽くされており、ミロンはシャボンを使い立ち向かっていく。

怪物たちをかいくぐり、ミロンはコインを手にしていく。
迷宮の隣に住む商人からミロンは体を小さくする事のできる薬やジャンプ台を使えるようになるシューズを買い、更に迷宮の奥深くへ挑んでいく。
そうしてミロンは魔人のしもべの一体であるホーマに遭遇する。

ドラゴンやコウモリにも似た巨大な魔物ホーマが口から紫色の弾を吐き、ミロンに襲い掛かる。
激闘の果てにホーマを倒したミロン。
ホーマを倒すと不思議なクリスタルを手に入れるミロン。
クリスタルの力でコンティニューが可能になる。

ホーマの守っていた扉を進むとガーランド城の2階へとたどり着く。

城の2階

井戸の中を進むミロン(左)

ホーマを倒しガーランド城2階の迷宮へ挑むミロン。
ジャンプ台や消える足場の仕掛けを乗り越え、1階よりも強くなった怪物たちをかいくぐり迷宮を攻略していく。
迷宮内に隠されていたお店を見つけ、暗い場所を照らす事のできるランプを手に入れるミロン。

更に迷宮を探索していく。
また別の隠されたお店で炎のダメージを軽減できるチョッキを手に入れるミロン。
手に入れたチョッキを身に付け、火の玉を吐く怪物とも戦っていく。

2階の迷宮から外壁に出たミロンは1階の井戸へと飛び込む。
井戸の中は灯りの無い真っ暗闇だったものの、お店で手に入れたランプの弱弱しい灯りを頼りに迷宮と化した井戸の中を進んでいく。
井戸の奥は何故か炎の燃え盛る恐ろしい罠が待ち構えていた。
しかしチョッキの力によって迷宮を突破する事に成功するミロン。

井戸の最深部にはマハリトの手下である怪物ドーマが待ち構えていた。
ホーマよりも更に激しい攻撃をかいくぐり、なんとかドーマを倒すミロン。
するとドーマはクリスタルへと姿を変える。
そのクリスタルを手に取るとミロンの攻撃であるバブルが強化された。

ドーマを倒した先にはまたしても隠されたお店があった。
ここでミロンは隠し扉を暴く事のできるハンマーを店主から無料で譲られる。

城1階の隠し部屋へ

隠し部屋へと入るミロン(右下)

城2階の外壁から1階へと飛び降りるミロン。
1階の外壁に怪しい箇所を見つけると先ほど手に入れたハンマーで壁を叩く。
するとまたしても中には隠されたお店が存在した。
ここでもミロンは店主からノコギリを無料で譲られる。
ノコギリがあれば閉ざされた窓から城の内部へ侵入できるようになる。

手に入れたノコギリを手に再び2階へ戻ってくるミロン。
ノコギリを手に入れるまでは入る事の出来なかった閉ざされた窓を開くミロン。
窓から城の内部へ入ると突然、大きな怪物に襲われる。
怪物の名はバルカーマ。またしてもマハリトのしもべの一体である。

より苛烈になった攻撃と俊敏な動きで襲い掛かるバルカーマをなんとか打ち倒すミロン。
するとバルカーマもまたクリスタルへと姿を変える。
クリスタルを手にしたミロンは不思議な力によって攻撃であるバブルをより遠くへ飛ばす事のできる力に目覚めた。

城の3階

氷に閉ざされた部屋を進むミロン(中央)

城の3階へとたどり着くミロン。
すぐ目の前に店が開かれており、ジャンプ力をパワーアップさせるハイパーシューズを手に入れる。

ハイパーシューズを身に付け迷宮へと挑む。
3階はそれまでの迷宮よりも更に難解な物へと変貌していた。
見えないジャンプ台や乗ると落下してしまう床や落とし穴など、いくつもの罠がミロンを待ち構えていた。
そしてもちろん怪物もより凶悪な者たちが襲い掛かってくるのであった。

複雑な迷宮の天井に隠された店へと入るミロン。
動くリフトに乗って移動する事ができるようになる不思議な羽根を手に入れる。

更に迷宮を探索していく事でまたしても隠されたお店を見つけるミロン。
そこではエクスカリバーという強力な武器が売られていた。
これを手に入れたミロンは攻撃のバブルの威力が倍へと成長したのであった。

3階に隠された扉をハンマーで崩し、氷に閉ざされた塔へ進むミロン。
その塔は氷だけでなく、探索を進めると四方八方から雷が襲い掛かってくる恐ろしい罠までもが待ち構えているのであった。
塔の最奥へとたどり着くと突然、全身が真っ赤な怪物に襲われる。
この怪物もまたマハリトのしもべで、名前はレッドバルカーマ。
以前ミロンが退治したバルカーマの同族のようで、似たような姿をしている。
しかし攻撃の苛烈さは今まで戦ってきた怪物の比ではなく凄まじい勢いで連射される魔法の弾と俊敏な動きに翻弄される。

どうにかレッドバルカーマを討ち果たすミロン。
倒したレッドバルカーマもまたクリスタルへと姿を変える。
クリスタルを手にしたミロンは更にバブル攻撃の射程が伸びる力に目覚めた。

そしてレッドバルカーマに守られていた扉の奥に隠された店を発見するミロン。
店主は不思議な力のこもった水筒をミロンに無料で託すのであった。

城の3階の攻略を進めるミロン

城の3階を進むミロン(中央)

レッドバルカーマを倒し、更に城の3階を探索していくミロン。
既に一度おとずれた事のある場所で不審な暖炉を見つける。
暖炉の中へ踏み込むとそこは開けた部屋となっていた。

そして突然ミロンに襲い掛かる怪物の姿。
怪物はレッドホーマ、これもまた以前ミロンが倒した怪物ホーマと同じような姿をしており異なる点は真っ赤な体表である。
強力な魔法の弾の連射を掻い潜りレッドホーマを倒すミロン。
レッドホーマもまたクリスタルへと姿を変える。
ミロンはレッドホーマのクリスタルを手にするとバブル攻撃の連射能力が上がる力に目覚めた。

3階の迷宮を探索していると部屋に閉じ込められている王女がミロンに助けを求めているのを発見する。
ミロンは壁を崩し王女を救出するも、それは怪物が化けていた偽物であった。
その化け物の名前はクロウ。
普通の攻撃は全く通じない恐ろしい怪物であった。
しかしミロンは以前に手に入れた不思議な水筒の力を使い立ち向かう。

クロウを倒すと謎の杖を落とす。
ミロンはこれを拾い、更に探索を進めていく事に。

不思議な魔法がかけられた無限に続く廊下へ迷い込むミロン。
天井にバブルを撃ち、無限の廊下を脱し迷宮奥へ進む。
すると開けた部屋でまたしてもマハリトのしもべが襲い掛かる。
全身が青い怪物ブルードーマと戦うミロン。

ブルードーマを倒し更に奥へと進むミロン。
再び幽閉され助けを求める王女の姿を見つける。
しかしその王女もまたクロウの化けた偽物であった。
クロウを倒すと王冠を落とす。
王冠を手にミロンは姫を探し迷宮を探索していく。

最終決戦へ

ミロン(左)と王女(右)、本作のラストカット

3階の迷宮を攻略していくミロン。
たどり着いた大部屋にて恐ろしい怪物に襲われる。
全身が骨のような姿のドラゴン、カーマがミロンに襲い掛かる。
マハリトのしもべの中でも最強の力を持ち、凄まじい魔法の連射と俊敏な体当たりが武器の怪物である。

カーマをどうにか討ち果たしたミロンはまたしてもクリスタルを手にする。
ミロンはバブル攻撃の連射能力が更に上昇する成長を遂げた。

カーマを倒し、守護されていた扉をくぐるとそこはガーランド城の4階であった。
そこはまさに天守閣とも呼べる区画であり、目の前には扉が1つ有るのみであった。
扉を開き最後の迷宮へと挑むミロン。
迷宮の部屋の一つで魔人マハリトに遭遇する。
マハリトに挑み、打ち倒すミロンであったがそれはクロウの化けた偽物であった。

幾人ものマハリトを倒し、遂に本物のマハリトを倒すミロン。
偽物と本物を見分ける手段は無く倒してみないと結果はわからない。
また、ここまでに手に入れたと王冠と杖が無いとそもそもマハリトが登場しない。

マハリトを倒し、無事に王女を救出したミロン。
ミロンは王冠と杖を王女へと手渡す。
王女がミロンの勇気を称え物語は幕を閉じる。

『迷宮組曲 ミロンの大冒険』のゲームシステム

3ehntcttme
3ehntcttme
@3ehntcttme

Related Articles関連記事

天外魔境ZERO(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

天外魔境ZERO(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社(2012年コナミ社に吸収)より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。 物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。

Read Article

サラダの国のトマト姫(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

サラダの国のトマト姫(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『サラダの国のトマト姫』とは1984年にハドソンからパソコン用で発売され、1988年にはファミリーコンピュータ用としても発売されたアドベンチャーゲームである。 舞台は野菜や果物たちが平和に暮らすサラダ王国。しかし大臣であるパンプキング・ド・アバレルによる反乱が起き、オニオン王は退けられ、トマト姫も幽閉されてしまう。カボチャ大王と名乗り王国を支配する大臣から平和を取り戻すため、キュウリ戦士が立ち上がる。

Read Article

目次 - Contents