ビー・バップ・ハイスクール(BE-BOP-HIGHSCHOOL)のネタバレ解説・考察まとめ

『ビー・バップ・ハイスクール(BE-BOP-HIGHSCHOOL)』とは、1983年から2003年まで「週刊ヤングマガジン」で連載された、きうちかずひろによる不良学生青春漫画。単行本は全48巻。ツッパリ高校生コンビのヒロシとトオルが、ケンカや恋に明け暮れる学生生活を描いたヤンキー漫画の代表的な作品で、累計発行部数は4000万部を突破。ツッパリ高校生の日常生活が描かれた点が当時の中高生に受け入れられた。1985年には清水宏次朗と仲村トオル主演で実写映画化されて大ヒットし、以降全6作が上映された。

『ビー・バップ・ハイスクール』の概要

『ビー・バップ・ハイスクール(BE-BOP-HIGHSCHOOL)』とは、原作者きうちかずひろが1983年から2003年まで週刊ヤングマガジン(講談社)で連載していた、ヤンマガKCスペシャル全48巻の不良学生青春漫画。
愛徳高校に通うツッパリ不良高校生、留年問題児コンビの中間トオルと加藤ヒロシがケンカや恋に明け暮れる高校生活の様子を描いたヤンキー漫画の代表的な作品で、累計発行部数は4000万部を突破した。コミックス8巻は初版発行部数227万部の大ヒットを記録しており、これは講談社の漫画本としては、2014年に『進撃の巨人』13巻が初版275万部を発行するまで破られなかった。1988年度、第12回講談社漫画賞一般部門受賞。
男女共学で生徒数1026名、偏差値49〜74の私立愛徳高等学校の生徒であるトオルとヒロシは、授業もそこそこに、ジュンコや今日子をはじめ毎日女にモテることを生きがいに高校生活を送っている。愛徳の後輩であるノブオ、ジュン、シンペーたちとつるんで街を歩いていると、必ず周辺の高校の有名なツッパリたちと出くわし、ケンカとなる。立花の菊永、北高のシンゴ、城東の山田、柴田や西など、腕に覚えのある不良たちと抗争となり、その結果友情を育んではまた新たな事件に巻き込まれていくストーリー。
当初は白泉社が発行していた月刊漫画雑誌『少年ジェッツ』にて連載をする方向で進められていたが、編集からのタイトル変更、パンチラなどの要素を加えるよう要求されたきうちがこれを拒否、同誌からは原稿を引き上げ、『週刊ヤングマガジン』で行われていた漫画新人賞である『ちばてつや賞』に応募したという経緯がある。
最後は無期限休載という形で連載中断の後、きうちが作品の終了を編集部及び講談社上層部に伝えたため、編集部によって誌上にて連載終了が発表された。このため明確な最終回は存在せず、形式上は未完のまま連載を終了。
1985年には実写映画が公開され、ヒロシ&トオルに清水宏次朗&仲村トオル、マドンナ・今日子に中山美穂が扮し、ギャグとアクション満載の痛快青春映画として大ヒット。その後シリーズ化され、1988年まで全6作品が制作され上映された。今なお「不良映画」の金字塔的作品とされており、日本映画史上最も成功した漫画原作映画の1つといわれている。またその後オリジナルビデオ発売や、2004年、2005年TBS系列でのスペシャルドラマ化、パチンコ機やパチスロ機など多方面に展開された。
大人気作品となった理由として、主人公2人はケンカにはめっぽう強いものの、必ずしも無敵の存在ではない点や、「等身大」の不良高校生の日常風景をリアルに伝える初期の描写が当時の中高生を中心に受けたとされている。またこの作品に影響されて、全国で長ラン、短ラン、ボンタン、ドカンなどの改造制服を着たり、リーゼントや剃り込みなどを入れるいわゆるツッパリ学生が全盛期となった。
コミックス20巻あたりまでは登場人物達の恋愛話と近隣高校の有名なツッパリとのケンカ抗争がテーマであったが、その後は1話完結のギャグテイストな話が多くなった。これについてきうちは、ケンカで話を進めていくと、最終的には日本一、ひいては世界一、宇宙一強い不良との対決を描かざるを得ない事になり、そうした展開にはしたくなかったからと話している。

『ビー・バップ・ハイスクール』のあらすじ・ストーリー

私立愛徳高校は、四、五年前まで県下でも有数の進学校であったが、生徒数の減少を補うために、学力の低い生徒も入学させたため、今では偏差値レベルは下がる一方であった。その高校で、ひときわ目立っているのが加藤浩志と中間徹のツッパリコンビ。
ヒロシとトオルはそこそこ男前でケンカも強く、均太郎、ジュンやシンペー、ジュンコら愛徳の仲間や後輩たちと恋にケンカに明け暮れる毎日を送っている。
特に愛徳高校近隣の高校のツッパリたちとの抗争は見ものであり、城東工業高校の山田敏光とテル、立花商業高校の菊永とミノル、北高校のシンゴ、ヤクザ養成機関と言われる戸塚水産高校の岸直樹やネコ次・ヘビ次など個性的なツッパリたちにヒロシ&トオルが愛徳の仲間たちと共に立ち向かっていく。

城東工業高校との争い

街では城東工業高校による「ボンタン狩り」が頻発しており、ボンタンを履いていきがっているツッパリたちが、ボンタンを取られてボコボコにされるという事件が起こっていた。たまたま街を歩いていたトオルもボンタンを狩られてしまう。首謀者は城東のナンバー2であるテル(藤本輝雄)である。テルは凶暴でケンカはあまり強くないが、城東工業高校の番長である山田敏光と仲が良いので大きな顔をしている。中学時代から常にドスを持ち歩いており、中学時代にトオルの太腿をドスで刺すが、その直後、奪取されたドスを両手に刺して地面に縫い付けられ、動けなくなるまで蹴りまくられた上前歯を4本失い、入れ歯を着けている。そんな因縁もあり、トオルはボンタン狩りの餌食になった上、折ったエンピツを鼻に突っ込まれる、いわゆる「鼻エンピツ」でやられて敗北してしまう。
ボンタンを取られたトオルは戦意喪失し、次の日普通の制服ズボンを履いて登校する。テルにこっぴどくやられてもやり返すつもりのないトオルに対して、ヒロシは厳しい言葉を浴びせると、トオルはやっと目が覚めて自分を取り戻す。城東工業高校へと単身で乗り込み、仕返しに1人ずつ血祭りに上げる。そしてテルを探し出すと、きっちり追い込みをかけて土下座させる。
するとあくる日、城東の番長である山田敏光がテルを連れて1人で愛徳に乗り込んできた。山田は城東のナンバー1でケンカが強く、ヒロシやトオルからも一目置かれる存在である。また面子を重んじて大義名分のないケンカはしない主義で、不良生徒の数が多い城東が頭数が多いだけの集団と言われることを嫌っている男である。
同じ城東のテルがトオルにやられた借りを返しに、大将である山田が単身愛徳に殴り込んできたが、実は昨日テルがトオルに土下座して許しを乞うていたという事がばれてしまい、顔に泥を塗られた山田は逆にテルに制裁を加えて引き下がり、城東と愛徳の全面戦争は回避された。

城東退学組との争い

柴田はケンカが強い元城東工業高校の生徒で、高校2年生の時に金属バットを振り回して3年生の教室へ殴り込む事件を起こして退学となっている。またその友人である西もケンカがめっぽう強く、髪は赤毛で無口だが、柴田と同じく城東工業高校を退学となっており、現在はバーテンダーとして働いている。
ある日柴田は街中で、愛徳高校の真面目少年岩本を恐喝して金を奪う。岩本の殴られた顔を見て、恐喝を知ったヒロシとトオルは、すぐにその金を取り返しに柴田の元にやって来るが、柴田は大勢の仲間で取り囲み、2人を返り討ちにしてしまう。
その翌日、柴田が西や宮地たち仲間6人とつるんでいる所にヒロシとトオルが殴り込みをかける。6対2では勝負にならず、2人はボコボコに殴られてしまうが、初めからターゲットは柴田だけと決め、何発殴られようが柴田だけを集中攻撃。殴られながらも柴田の顔面を殴り、前歯を4本折ってノックアウトしてしまう。2人の根性と倒れた柴田を見て、西たちはケンカの休戦を申し入れる。
この事件の後日、柴田は相棒の西と共に仕返しに愛徳高校に殴り込みをかけ、ヒロシとトオルと果たし合いを行うが、結局引き分けに持ち込まれてしまう。

後日、柴田の仲間の宮地が人質に取られたという情報を得た柴田は単身助けに向かっていた。その道中、ヒロシとトオルに出会い、事情を話すと2人は助っ人を買って出る。多勢に無勢の中、とにかく先制攻撃で暴れ回って宮地を救い出そうと計画し、ドアを開けた瞬間相手をぶちのめすが、実はこれは仲間による柴田の誕生日のサプライズであった。この事件以降、ヒロシとトオルそして柴田や西たちは友人関係となった。

白山高校との争い

白山高校には白山三羽ガラスと呼ばれる実力者である江田、大杉、松本の3人が存在する。江田はチャッピーというストリッパーで筆おろしをしたことから「チャッピー」と呼ばれるが、本人はそのあだ名を嫌っており、「チャッピー」と呼ぶ奴を半殺しにしてきた実力者。大杉はかなり凶暴な性格で、ケンカで刃物を使うことも厭わず、かつて江田の額にナイフで傷をつけた男。松本は小柄だが男らしくて上下関係に厳しく、仲間内からは「ケンさん」と呼ばれて尊敬を集めている。この3人の実力は拮抗しており、白山三羽ガラスとして名を轟かせていた。

ある日地元を離れてJR沿線までやってきたヒロシとトオルは、白山高校の江田と揉めてしまい、なんとヒロシとトオルは2人とも一発でKOされてしまう。しかし江田はその後に息を吹き返したヒロシに負けてしまい、また手下もトオルに全員やられてしまった事から、その後はヒロシ&トオルと意気投合し、友人のような関係を続けることになった。

喫茶店内で大杉と揉めたヒロシは、表で勝負すべく店を出た瞬間に後ろから大杉に傘でメッタ打ちにされてしまう。気を失いながらもヒロシもかろうじて大杉の右人差し指を折って反撃するが立ち上がれず。その翌日、ヒロシは金属バットを持って仕返しにやって来る。大杉を見つけてめった撃ちにするものの、追い詰められた大杉は突然ナイフを取り出してヒロシの掌を斬り付ける。するとその場にいた大杉の彼女に泣きながら止めに入られてヒロシは撤退し、そのまま両者の決着は付かず終いとなった。

ヒロシは白山三羽ガラスの最後の1人、松本とケンカになる。松本は小柄ながらヒロシが手も足も出せずKO寸前まで追い込まれるが、一瞬の油断を衝いて石で殴って気絶させる。負けた松本はその後ヒロシとケリをつけようと愛徳高校の近くまで乗り込んでくるが、ヒロシの卑怯な手によってまた敗北。トオルはたった二人で敵陣に乗り込んできた松本の事を「男」だと高く評価したが、実力はありながら結局ヒロシに勝つことはできなかった。

こうしてヒロシ&トオルは白山三羽ガラス全員を退治することとなり、2人の名前は県内に轟いて行くこととなった。

翔子の出会い

イケイケのツッパリ少女で、周囲から生意気呼ばわりされている「五中の鬼姫」こと如月翔子は、ある日街でトオルに出会う。普段から態度が大きく、年上にも絡んでくるため、周囲のツッパリ高校生たちからも鬱陶しがられていた翔子は、最初トオルの事をを半端なツッパリと勘違いし、同じように見下して絡んでいた。翔子は五中のツッパリたちを焚きつけて、トオルをやっつけるように頼むと、トオルは逆にあっという間に全員をのしてしまう。その男らしいトオルを見て、翔子は彼女になることを宣言するのであった。
翔子の性格や言動は面倒だが、可愛い顔をしていて五中ではかなりモテており、中学時代は均太郎やジュン、シンペーも翔子の事を好きだったため、彼らのトオルへのジェラシーが爆発する。当初は中学生の翔子を子供扱いして、勝手に彼女面をして来る翔子を嫌がっていたトオルだが、徐々に翔子の可愛さや天真爛漫さに惹かれていき、遂に付き合うこととなった。付き合って間もない頃は、女の話になると、ヒロシに翔子がいるだろと言われるも否定をしたりしていたが、徐々に翔子にデレデレするようになる。
こうして本作で初めて、トオルに正式な彼女が出来ることとなった。
翔子は実は頭が良く、後にトオルのいる愛徳へ入学するために猛勉強した結果、成績が上がり過ぎて、親には更にレベルの高い高校を勧められる。

『ビー・バップ・ハイスクール』の登場人物・キャラクター

愛徳高校

中間 徹(なかま とおる)

CV:立木文彦(OVA版)、中村悠一(ムービーコミック版)
演:仲村トオル
愛徳高校に通う高校生で主人公の1人。1966年10月31日生まれのB型、さそり座。中学時代のあだ名はキレると何をするか分からないことから「狂犬病」。高校2年生のときに留年している。番を張ることや不良としての格などに対する興味がなく、自分たちさえ自由気ままに好きなことができればいいというスタンス。 ただし、ケンカの勝ち負けについては執念深く、腕っぷしもかなり強い。性格は短絡的、しつこい、しぶとい、ズボラ、脳天気。ヒロシと比べて硬派で面子を重んじ、真正面からのケンカがモットーである。基本的に弱い者イジメはしない主義でイジメに遭っていた下級生をヒロシと共に助けた事もある。

加藤 浩志(かとう ひろし)

CV:小野坂昌也(OVA版)、吉野裕行(ムービーコミック版)
演:清水宏次朗
愛徳高校に通う高校生で主人公の1人。1966年9月14日生まれのB型、おとめ座。中学時代のあだ名は「火の玉」。高校2年生のときに留年している。不良として格やプライドには興味がなく、自分たちさえ自由気ままに好きなことができればいい、というスタンス。 ケンカはズル賢い手も使いながらかなり強く、ナイフやレンガなどの武器を使うことも厭わない。腕っぷしもかなり強い。性格は短気、ズルイ、こすっからい、単純、助平で、女にモテるタイプだが、要領のよさが裏目に出ることも多い。 他人の恋愛がうまくいくと嫉妬する。口がうまくルックスも悪くないため、可愛い女の子ともすぐ仲良くなる事ができ、一夜を共にする事も多いが、軽い性格で次々と他の女に色目を使うため長続きしない。

兼子 信雄(かねこ のぶお)

CV:後藤敦→飛田展男(OVA版)、山口清裕(ムービーコミック版)
演:古川勉
愛徳高校に通う高校生。1967年5月3日生まれ。1つ上の学年だったトオルとヒロシをかねてより尊敬し、彼らが留年して同学年になったことを機に、舎弟となることを志願する。一人称は「あっし」である。髪の毛が多く異常に硬いため、普段は角刈りにしている。 極度の小心者だが、人情深く男気にあふれ、いざというときに根性を見せることもある。ヒロシを救うため、立花商業高校菊永淳一の頭を木刀で割ったこともある。

川端 純(かわばた じゅん)

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