アドベンチャー・タイム(Adventure Time)のネタバレ解説・考察まとめ

『アドベンチャー・タイム』とは、米国の幼児向け番組専門のケーブルテレビチャンネルであるニコロデオンが作った短編アニメを元に、カートゥーンネットワークがその短編アニメを購入し30分番組として製作したアニメである。本作の内容は主人公の男の子フィン(Finn)と犬のジェイク(Jake)が魔法のはびこるウー大陸を舞台に繰り広げる冒険ファンタジーである。

『アドベンチャー・タイム』の概要

『アドベンチャー・タイム』とは、米国の幼児向け番組専門のケーブルテレビチャンネルであるニコロデオンが作った短編アニメを元に、カートゥーンネットワークがその短編アニメを購入し30分番組として製作したアニメである。
主人公である12歳の少年フィン(Finn)とその相棒である犬のジェイク(Jake)が繰り広げる冒険ファンタジー。
原作・アニメーション総監督はペンデルトン・ウォード(Pendleton Ward)である。
彼はカリフォルニア芸術大学で学び、米国アニメの代表とも言える『ザ・シンプソンズ(The Simpsons)』や『ピーウィーのプレイハウス(Pee-wee's Playhouse)』から多大な影響を受け、本作品を作るに至った。
また、一方で日本アニメの宮崎駿作品の一つ『となりのトトロ』からの影響も受けていると話す。
アニメの舞台となる架空の大陸「ウー大陸」は、マッシュルーム戦争(Great Mushroom War)と呼ばれる核戦争勃発から約1000年後の世界である。核戦争によって荒廃したウー大陸は、魔法が復活した不思議な世界という設定になっている。
ウォード氏はアニメの終末的要素は映画『マッドマックス』から影響を受けていることを明かしている。
本アニメーション作品は基本的に1話完結型の体裁をとる作品である。

『アドベンチャー・タイム』のあらすじ・ストーリー

フィンとジェイクの愉快な毎日

冒険を楽しむフィン(下)とジェイク(上)。

12歳の人間の男の子であるフィンと、その相棒の犬のジェイクはウー大陸にあるグリーンフィールドと呼ばれる地域のツリーハウスで暮らしている。
2人と寝食を共にしているゲーム機型ロボットのビーモ(Beemo)と3人で楽しい毎日を送っている。
フィンは産まれたばかりの幼少期に、林の中で葉っぱに包まれた状態で、自らの排泄物を踏んで立てなくなり、泣きじゃくっているところをジェイクの両親に助けられた。その日からジェイクとは兄弟同然のように育てられたという経緯がある。
ジェイクの両親の死後、フィンとジェイクは現在のツリーハウスに住み着き、近隣のキャンディー王国のプリンセスであるプリンセス・バブルガム(Princess Bubblegum)からの依頼で問題や事件を解決するため奔走したり、冒険の旅に出掛けたりして暮らしている。

キャンディー王国は名前の通りお菓子でできた王国で、その国を統治しているプリンセス・バブルガムは体がお菓子でできている。また、キャンディー王国の国民も体がなにかしらのお菓子でできている。フィンは物語初期の頃、バブルガムに好意を抱いていたが彼女はいつもそれを上手く躱し、あれやこれやと用事を言いつけてはフィンとジェイクを巧みに動かしている。

近隣のアイス王国では国王のアイスキング(Ice King)が日夜花嫁を求め、各地から花嫁候補のプリンセス達をさらって牢屋に閉じ込めるという悪事をはたらいている。フィンとジェイクはその度にアイスキングをこらしめるべくアイス王国へ足を踏み入れる。
氷山に囲まれたアイス王国はアイスキングを筆頭に国民であるペンギン達によって成り立っている。
アイスキングはその冷酷な人柄から周囲の人間に疎まれているが、本人はそんなこと気にもとめずフィンとジェイクを目の敵にしている。
しかし、フィン達のツリーハウスを訪れて寛ぐなどの勝手な振る舞いをしたり、フィンに向かって自分と親友になるよう勧めたりするなど、友好的な一面も見せている。

ある日の夜、ジェイクはフィンに向かって怖い話を語って聞かせていた。フィンはジェイクの怖い話を信じこみ、窓の外に人影が居ると不審がる。ジェイクはそんなことあるもんかと笑い飛ばすが、フィンが見た人影は本当にツリーハウスの中まで侵入して来ていた。
驚いたフィンとジェイクの前に姿を見せたのは長い黒髪の痩せっぽっちの女の子、マーセリン(Marceline the Vampire Queen)だった。
マーセリンは1000年以上も前から生きているヴァンパイアの女王だった。フィンとジェイクがツリーハウスに住み着くよりもずっと昔に同じツリーハウスに住んでいたことがあり、家を取り戻そうとやって来たのである。しかし、フィンとジェイクに興味を惹かれたマーセリンは、彼らに家を譲りそこから3人の交流が始まる。

ジェイクはフィンとビーモと共に刺激に満ちた冒険生活を送る傍らで思いを通わす女性がいる。
その女性は虹とユニコーンのハーフで、体の色が虹模様をしており、さらに胴が驚くほど長いという一風変わった風貌の女性、レディ・レイニコーン(Lady Rainicorn)である。
彼女は韓国語を話す心の優しいジェイクのガールフレンドで、ふたりはいつも冒険の合間にデートをしている。
ロマンティストなジェイクはデート中、彼女にバイオリンを弾いて聞かせている。
ある日、レディ・レイニコーンの両親と会食をすることになったジェイクは、気に入られたい一心で彼女の両親をツリーハウスに招きもてなす。
フィンを見たレディ・レイニコーンの両親は彼をジェイクの召使いと勘違いし、フィンに対して失礼な振る舞いをする。
動物と人間の立場が逆転している両親の観念によって、人間のフィンは自分たちよりも立場の弱い存在だと認識したのであった。
その様子をなす術も無く見ていたジェイクだったが、居ても立ってもいられなくなり、フィンは自分にとって家族同然の大事な存在であることを両親に説明する。
ジェイクの誠実な態度を気に入ったレディ・レイニコーンの両親は、ジェイクに娘を快く託し、無事に宴は幕を閉じた。
その後、ジェイクはレディ・レイニコーンと順調に愛を育み、ふたりの間に5匹の子供を授かる。

フィンの恋

一方、年頃のフィンにも小さな恋心が芽生えていた。フィンは物語開始当初はキャンディー王国主のプリンセス・バブルガムに思いを寄せていたが、バブルガムとの交流を重ねるうちに歳の差を感じずにはいられなくなっていた。
年上のバブルガムに自分の気持ちを躱されるだけでなく、会話も噛み合わずちぐはぐなコミュニケーションをとるうちにフィンの中からバブルガムへの気持ちが薄れつつあった。
恋に破れ傷心していたフィンに、ジェイクが新しい恋人を見つけようと計画していた。
そんな時に丁度知り合ったのがフレイムプリンセス(Flame Princess)だった。彼女はファイヤー王国の国王であるフレイムキング(Flame King)の娘で、触るもの全て焼き尽くしてしまう火の女王だった。フィンは同じ年頃の彼女を人目見て気に入ってしまう。
最初はフィンやジェイクに警戒心を剥き出しにしていたフレイムプリンセスも次第に打ち解け、フィンと交際することになる。
しかし、その凶暴な性格や気性の荒さからふたりの交際に異論を唱える者がいた。それがプリンセス・バブルガムだった。
バブルガムはフィンがフレイムプリンセスと付き合うことでキャンディー王国をはじめとする近隣諸国までもが恐ろしい目に遭うことを危惧していたのである。

ある日、フィンはフレイムプリンセスとのデート中に、空を飛ぶアイスキングを目撃する。
フィンは日頃のアイスキングへの不満もあり、フレイムプリンセスを焚き付け、アイスキングをこらしめようと企てる。
フレイムプリンセスはフィンによって仕向けられているとも知らずに、アイスキングが自分に喧嘩を売ってきたのだと思い込み、アイスキングをこてんぱんにやっつけようとする。
しかし、フィンと自分しか知らない筈の事柄が、アイスキングからのものだと思っていた手紙に書かれていたことを思い出し、フィンの計略であることを悟る。
そのことが結果的に、フィンとフレイムプリンセスの交際が破局する原因となってしまう。
フィンの企ての真意を知ったフレイムプリンセスは怒り狂い、フィンと別れることを決意する。

2度目の失恋を経験し恋の痛手を負ったフィンは、更に冒険に邁進することを決意し、相棒ジェイクを連れ立って今日もウー大陸のどこかでアドベンチャータイムを楽しんでいる。

『アドベンチャー・タイム』の登場人物・キャラクター

フィン(Finn/CV:朴璐美)

本作主人公、人間の少年。いたずら好きだが正義感が強く、相棒のジェイク思い。
ジェイクとビーモと共にウー大陸のグリーン・フィールドにあるツリーハウスで生活している。
幼少期にジェイクの両親に引き取られ育てられたことから、ジェイクとは兄弟同然に成長した。
白いうさぎの様な形をした被り物の下は長い金髪が生えている。
プリンセス・バブルガムに好意を寄せていたが失恋した後、フレイムプリンセスと付き合うものの破局する。

ジェイク(Jake/CV:斎藤志郎)

フィンの相棒の犬。魔法の力で身体を自在に操ることが出来、変形させて乗り物の形になったり、フィンを身体の中に入れ込み、モビルスーツのような役割をすることも出来る。
年齢は30歳前後らしく、レディ・レイニコーンとの間に子供が5匹いる。
子供たちは全員驚く早さで成長し、あっと言う間に自分の歳を超えてしまい、そのことに寂しさを感じている。
好きなカードゲームをやる際には自分が負けると一気に機嫌が悪くなる一面もある。

ビーモ(Beemo/CV:池田果奈子)

フィンとジェイクと共にツリーハウスで同居しているゲーム機型ロボット。
本体の側面に「BMO」とペイントされている。性別は不明。
ビーモはかつてグリーンフィールドから遥か離れた機械工場で製造された。
ビーモの製造者はビーモがこれまで造ったロボットの中で最も優れていると自負している。
ゲーム機としての役割を担うことが多いが、映画を作りたいというフィンとジェイクの要望に応え、動画撮影をする場面もある。

プリンセス・バブルガム(Princess Bonnibel Bubblegum/CV:田中理恵)

キャンディー王国を治める王女様。作中での本人の発言によると年齢は18歳前後らしいが、本当のところは不明。
身体がお菓子で出来ている。普段はピンク色のドレスに身を包んでいるが、TPOに合わせてカジュアルな服装の時もある。
フィンとジェイクが定期的に開催している映画上映会の際は、パーカーとデニムという出で立ちでツリーハウスを訪れた。
科学、薬学に秀でていて研究熱心な女の子。フィンの気持ちを知りながらもそれを上手に交わしながら、キャンディー王国で起こる問題の解決にフィンとジェイクを重宝している。

アイスキング(Ice King/CV:丸山壮史)

あたり一面氷山に囲まれたアイス王国の王様。
年齢は1000歳を優に超えている。常に花嫁を探しており、近隣諸国のプリンセス達をさらっては自分の国に連れ帰る。
その誘拐行為は全て失敗に終わっている。
国民のペンギンであるガンターを特に可愛がっている。
他人とは心を通わせることが下手だがペンギン達とだけは仲良くしている。
王様になる前は普通の人間だったようで、サイモン・ペトリコフという名前の古美術研究家だった。
しかしある時、不思議な魔力を持つ王冠を手に入れそれを冠ったことから正気を失い、現在の非常識で冷酷な人柄になってしまった。
王冠のおかげで氷の魔術が使える。

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