バットマン フォーエバー

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バットマン フォーエバー
8

バットマンの相棒・ロビン誕生と脂の乗った二大スターが演じるヴィランとの派手な対決!

バットマンとロビン、この二人は主従ともパートナーとも言えないバランスの関係であり、原作であるコミックスでは見ようによっては恋人関係を思わせる親密さが殊更大きく広まった事も少なくありませんでした。勿論コミックスの原作者側にそんな意図は無かったのですが、ロビン=ディック・グレイソンの『悪人に家族を殺され孤児となった少年が優れた身体能力と頭脳を駆使して悪人を退治する』という展開はバットマン=ブルース・ウェインも全く同じで、ブルースの立ち位置は孤独なダークヒーローから保護者的側面が加えられ、それまで表向きは億万長者の自由人として振る舞い孤高の雰囲気を漂わせていたのが、ディックという青年の持つ甘さやスピード感がストーリーにも緩急が生まれて面白いです。日本でも人気が高いジム・キャリーやトミー・リー・ジョーンズの怪演もコミカルかつ憎々し気たっぷりで特に当時大活躍中のジム・キャリー演じるザ・リドラーとの決戦はバットマンを絶体絶命にまで追い詰める程の迫力です。また、この「フォーエバー」と次作「バットマン&ロビン Mrフリーズの逆襲」の監督を務めるジョエル・シュマッカーは前作「リターンズ」までのダークトーンから非常にカラフルでポップアートのような雰囲気に世界観を変更、それはかつてのテレビドラマを思わせる派手な画面になり更なるバットマンワールドを想像させてくれました。その後制作されているバットマン映画は再び陰影を重視した映像に戻っているようですが、長い歴史の間にはこういう作品もあったことを知ってもらいたいと思います。