忍者と極道(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『忍者と極道』とはWEBアプリ『コミックDAYS』に掲載されている漫画作品。作者は近藤真輔。2020年より連載がスタートした。現代に生きる忍者と対立する極道組織の闘いを描いたバトル漫画である。
WEB連載という形と独特なセリフ回しからTwitterなどのSNSで人気を博している。作者の近藤信輔にとって初の青年漫画作品であり、重版もされた作品となった。本作のスピンオフである外伝作品『獅子の華』『最狂悪童伝ガムテ』も『コミックDAYS』にて掲載されている。

『忍者と極道』の概要

『忍者と極道』とはWEBアプリ『コミックDAYS』に掲載されている漫画作品。作者は近藤真輔。2020年より連載がスタートした。
「WEBマンガ総選挙2020」で第9位、「このマンガがすごい!2021 オトコ編」で第8位、「次にくるマンガ大賞2021」でWebマンガ部門第10位を受賞している。
バトル漫画ではあるが青年漫画のため人体欠損描写や流血シーンなどが多い。
キャッチコピーは「決めようか、忍者と極道、どちらが生存(いき)るか死滅(くたば)るか。」
キャッチコピーでもわかるように通常では使わない漢字のルビ振りもこの作品の魅力となっている。

現代の日本を舞台に忍者集団である帝都八忍と対立する極道組織が争いを続けていた。
忍者に襲撃され続けていた極道達だったが、彼らは忍者に対抗するべく身体能力を異常強化させる麻薬を開発する。
それにより忍者を殺す術を手に入れた極道達の暴動は大きいものとなっていく。
暴動の中で仲間を失いつつも忍者達は極道をせん滅するべく、さらなる戦いを繰り広げていく。

『忍者と極道』のあらすじ・ストーリー

忍者(しのは)と極道(きわみ)の出会い

主人公は表向きは高校生であるが、裏の顔は東京を守る「帝都八忍」(ていとはちにん)の一人、多仲忍者(たなかしのは)。
忍者(しのは)はある日街で一人のサラリーマン輝村極道(きむらきわみ)と出会う。
サラリーマンが落としたスマホから、彼が同じアニメのファンであると気づいた忍者(しのは)は仲間を見つけたと喜び意気投合する。
そんな時、忍者(しのは)の元に帝都八忍が使用する伝言役「べしゃり烏」が任務を伝えにくる。

指示された倉庫では極道と東京都知事のSPが戦っていた。
SPが全滅し絶体絶命かと思われたその時、一人の極道の首が飛ぶ。
それは現場に到着した忍者(しのは)によるものだった。
その光景に極道達は「裏社会(うら)で悪事(わるさ)かますと忍者が来襲る(くる)」という噂を思い出す。
極道を苦も無く全滅させ、都知事を救った忍者(しのは)は警察が来る前に姿を消した。現場検証をする警察に語られる忍者の存在はもはや伝説に近いものだった。

その夜、黒塗りの高級車の中で事件の顛末を聞いている男が一人。
その男こそ忍者(しのは)が昼間出会ったサラリーマン、極道組織 竹本組 ”裏組長” 輝村極道(きむらきわみ)その人であった。

極道を殲滅したいと思っている忍者(しのは)、忍者を殲滅したいと思っている極道(きわみ)。
数奇な出会いを果たした二人は、お互いの正体を知ることもなく激闘に巻き込まれていくことになる。

地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)登場

忍者(しのは)は、ある現場でチケットに似た紙切れを見つける。
天国への回数券(ヘブンズ・クーポン)と書かれたその紙には、わずかに麻薬の臭いが感じられた。
不審に思った忍者(しのは)は、師匠である璃刃壊左(あきばかいざ)に拾った紙切れを報告するが、やはり新種の麻薬だった。
極道の動向が激しくなっていることを案じる忍者(しのは)に対し、壊左は何があろうが極道はただ殺すのみと信念をあらわにしていた。

忍者(しのは)はアニメの限定商品を手に入れるため、東京キャラクターストリートに来ていた。そこで極道(きわみ)と偶然再会する。
再会を喜び話に花を咲かせる二人はさらに仲を深めていくのだった。

食事に誘われた忍者(しのは)は、盛り上がりながらも店のすべての客が極道(きわみ)の知り合いであり友達であることに驚く。
そんな極道(きわみ)を見て忍者(しのは)は、愛想をよくしようとするが上手くいかない。
見かねた極道(きわみ)はまずは私と友達になろうと持ち掛け、忍者(しのは)は連絡先を交換し、生まれて初めての友達ができた事を喜ぶのだった。

一方そのころ、壊左のもとにべしゃり烏がやってくる。
赤坂で極道が何か企てているとの情報だった。

赤坂の料亭には東京中の全極道組織が集結しており、殺伐とした空気が漂っていた。
そこに現れた極道(きわみ)の姿は、いつものスーツではなく死装束だった。
驚いた極道達に極道(きわみ)は忍者に対抗できる唯一の手段を語り始める。
巧みな話術で極道達を興奮させた極道(きわみ)は、一夜にして東京中の極道達のトップになった。

しかしそこに壊左が襲撃を遂行。
目の前で極道達が殺されて行く中、極道(きわみ)は彼らの前で実演するかの如く忍者に対抗する手段を見せる。
それは「地獄の回数券」(ヘルズ・クーポン)と呼ばれる、口に含む新種の紙麻薬(ペーパードラッグ)だった。
肉体が異常活性化し忍者をも超える速さと力を手にできるヘルズ・クーポンを使い、壊左と激しい肉弾戦を繰り広げる極道(きわみ)。
肩をえぐられながらも壊左の額にドスを突き刺した極道(きわみ)は、「忍者ぶっ殺したり!!!」と雄たけびを上げる。
極道達は、忍者に対抗するすべを手に入れたことに沸き立つ。
極道(きわみ)が確実なとどめを刺そうとした時、壊左は最後の力を振り絞り自爆する。
かなりの威力の爆発だったが、ヘルズ・クーポンを使った極道(きわみ)は生き残っていた。
極道(きわみ)は、「破壊の八極道」(はかいのはちごくどう)とよばれる生存者達を招集する。
彼らも極道(きわみ)と同様にヘルズ・クーポンを使っていたため無事であった。
忍者を殺した証として、壊左の肉片にドスを突き立て宣戦布告をする極道(きわみ)。
それを見つけた忍者(しのは)は怒りに震えながら極道を皆殺しにする決意を固めるのだった。

「帝都八忍」登場

翌日、忍者(しのは)は酔っぱらっている極道(きわみ)と再会する。
極道(きわみ)は壊左を殺し名を揚げたことで祝賀会を開いていた。
上機嫌な極道(きわみ)は忍者(しのは)を居酒屋に誘う。
楽しそうに酒を呑む極道(きわみ)の姿に、かつての壊左の言葉を思い出し忍者(しのは)は酒をひとくち吞む。そのたったひとくちの酒に忍者(しのは)は目を回し倒れてしまう。
忍者(しのは)を優しく介抱する極道(きわみ)に、さらに信頼を深めてゆくのだった。

帰路につく忍者(しのは)は酔いと涙で道端で寝込んでしまう。
チンピラ達に財布を取られそうになるが、帝都八忍のメンバーである祭下陽日(まつもとのどか)に助けられ、忍者(しのは)は陽日におぶわれてアジトへと向かうのだった。

同じ頃、新宿歌舞伎町では極道一行が次の手を進めようとしていた。
そこで極道(きわみ)は襲撃にあう。忍者の仕業かと思えたが、それは極道(きわみ)に反感を持つ極道から差し向けられたものだった。
肉体のタフさを活かし攻撃を受けながら相手をブン殴るというシンプルな能力を持つ夢澤恒星(ゆざわこうせい)は、極道(きわみ)を庇いながら敵に立ち向かう。
夢澤はヘルズクーポンを使わず敵を返り討ちにした。

烏合の巣と呼ばれる忍者のアジトにはすでに病田色(やまだしき)という女性と、リーダーである神賽惨蔵(かさいざんぞう)がいた。
そこで陽日は壊左を殺した犯人を突き止める方法を提案する。
壊左のつけていた片眼鏡には小型カメラになっている宝石がついており、そこに犯人が映っていると思われた。
爆発に巻き込まれ損傷は激しいが、色はデータの復元に挑戦するという。

惨蔵は極道が歌舞伎町の地下施設:通称カブチカに半グレを100人拉致した件についての調査任務を伝える。
同行すると申し出た色に、陽日はかたき討ちは一人でしたいとそれを断る。
惨蔵は止める必要もないと陽日を単独で調査に向かわせるのだった。

燃える仁義のカブチカ

忍者をおびき出すためには忍者の目を引かなければならない。
堅気に手を出さない主義である夢澤は半グレたちの首を竹下通りに並べるのだった。

カブチカに潜入した陽日の気配に感づいた夢澤は、まだ未成年の極道達をその場から逃がす。
夢澤は残りの極道達にヘルズ・クーポンを使うように号令をかけ、戦いの火蓋がきっておとされようとしていた。

陽日の忍手は灼熱の焔を自由自在に操るというものだった。彼の忍手に極道たちは焼け悶えるほかなかった。
驚愕しながらも夢澤は陽日に銃弾を撃ち込むが、銃弾すら陽日に当たる前に溶けてしまう。
焔を飛ばし夢澤の体に火をつけた陽日は、隙を利用し夢澤の胸に手刀を突き刺すのだった。

目覚めた忍者(しのは)は陽日がすでに任務に向かっていることを聞き、急いで現場に向かっていた。

夢澤の胸を貫いた陽日は確かな手ごたえを感じていたのだが、後ろで夢澤は立ち上がった。
火だるまにされ体を貫かれても、床にたまった血で焔を消火していたのだった。
陽日は夢澤が腹に大穴を開けられているのに死なないのはおかしいと考える。
それは薬物によるものに違いないと勘づいた陽日だったが、同時に彼の焔の謎について夢澤も解き明かしていた。
ドスを向けた夢澤が突進し迎え撃つ陽日は、夢澤の首を刎ねるが夢澤のドスも陽日の胸を貫いていた。
なんとかヘルズ・クーポンの秘密を持ち帰ろうとする陽日だったが、そこに現れた極道達に殺されてしまう。

忍者(しのは)は倒れていた陽日の姿を発見し駆け寄った。
その後ろから”ガムテ”と呼ばれる少年が忍者(しのは)を強襲する。
気配に感づいた忍者(しのは)は怒りに身を任せ忍手を連発する。ガムテはおちゃらけながらも的確に攻撃を防いでいく。
隙をついたガムテは忍者(しのは)の右目をドスで切り裂くが、気が付けば彼のほうが左手を切り落とされていた。
そこに極道(きわみ)からの電話がガムテに入り戦いを打ち切る。
忍者(しのは)は陽日が手に持っていたヘルズ・クーポンを受け取り、哀しみと怒りに涙するのだった。

車に乗り歌舞伎町を離れる極道(きわみ)がボタンを押した瞬間、カブチカは爆破され歌舞伎町は阿鼻叫喚の渦に巻き込まれていった。
陽日の遺体を抱え脱出することに成功した忍者(しのは)は烏合の巣へと戻る。
哀しみと怒りに包まれる八忍達に、残りのメンバー”呪血の忍者兄弟”と呼ばれる覇世川左虎(はせがわさこ)と邪樹右龍(やぎうりゅう)の二人が帰還するという報告が入るのだった。

情愛大暴葬

極道(きわみ)が次の刺客と合流するため帝都高出口付近にむかっていると、華麗に女性たちを喜ばせる男がいた。
彼こそ破壊の八極道の一人である殺島飛露鬼(やじまひろき)であり、元暴走師団”聖華天”(せいかてん)初代総長・暴走族神(ゾクガミ)の異名をとった男であった。
殺島は極道(きわみ)に忍者との戦いのため極道車を三万台ほど用意するようにと告げる。
極道(きわみ)はそれに対し快く了承するのだった。

烏合の巣では左虎と右龍の二人が合流していた。
陽日が手に入れたヘルズ・クーポンの検証が行われ、ネズミ一匹に与えればヒグマすら倒してしまうという結果が得られた。
八忍達はヘルズ・クーポンの恐ろしさを知るのだった。

極道達は次の準備のために世界中に散った聖華天のメンバー達を集結させようとしていた。
殺島の一声により五万人が帝都高に集結するのだった。

池袋で忍者(しのは)がパトロールをしていると再び極道(きわみ)と出会う。
二人が歩いていると色と遭遇し、色と極道(きわみ)は自己紹介を交わした。
そこで極道(きわみ)のスマホに連絡が入り、極道(きわみ)は忍者(しのは)達と別れ殺島たちと合流するために多摩川へ向かうのだった。
河川敷では殺島と聖華天のメンバーが極道車と共にそろっていた。
極道(きわみ)と殺島はタバコで幸運を誓い合い、次の攻撃の開始を宣言するのだった。

烏合の巣ではべしゃり烏がこの異変を帝都八忍に伝えていた。
一方壊左の片眼鏡に残された映像を解析していた色は、そこに映っていた人物が昼間出会った極道(きわみ)だということに驚愕していた。

帝都高には極道車が集結し、警察官をひき殺し一般車を弾き飛ばしながら暴走の限りを尽くしていた。その悪行を目にした帝都八忍は五人全員でそれぞれ帝都高の各地へ出動した。

レインボーブリッジでは副総長のΣ(シグマ)が左虎と対峙していた。
左虎と向かい合ったΣは先手に飛び込んでいくのだったが、左虎の忍手により首から下を氷漬けにされ左半身を切断されてしまう。
左虎の能力は長い頭髪を気流の性質による超低温の刃として利用するというものだった。

一方右龍は副総長のα(アルファ)と戦っていた。
殴り合いの喧嘩が得意な両者は拳を放ち、αの拳が右龍の顔面に直撃する。
ありえない骨密度を誇る右龍に対しαの拳が砕けてしまっていた。
骨密度を利用し人体の生理現象である圧電を自由自在に使える右龍は、続けて地面に電気を走らせαに追撃を浴びせる。
左虎と右龍はαとΣの首を刎ね「ぶっ殺した」と宣言するのだった。

総理官邸前では惨蔵とメジャーリーガーのΩ(オメガ)が戦っていた。
強力なバットスイングで惨蔵の攻撃を抑えつつ反撃を繰り出すΩ。
激しい打ち合いの末、Ωのバットをへし折った惨蔵は野球の楽しさを彼に聞く。
笑顔で答えたΩの首は惨蔵の次のスイングにより打ち上げられたのだった。

暴走している極道車に乗っていた殺島は忍者(しのは)とかち合うことになった。
出会い頭の攻撃は互いに不発に終わるが、殺島は次の攻撃で跳弾を使い弾丸の雨を降らせていく。かわし続ける忍者(しのは)だったが、ついに両足を撃ち抜かれ機動力を失ってしまう。殺島は忍者(しのは)の頭を撃ち抜くと彼は倒れるが、突如飛び上がると殺島に向かい暗刃をかすらせる。
弾丸は忍者(しのは)が高速で頭を揺らすことで頭蓋骨で受け流され貫通していたのだった。
暗刃により殺島は左腕を切り落とされると、彼は銃口を自分の頭に向ける。
降参を宣言し自ら幕引きをしたいと申し出る殺島に、忍者(しのは)は了承し構えを解く。
そうして自らの頭を撃った殺島の真意は、忍者(しのは)への不意打ち攻撃を目的としていた。
見通していた忍者(しのは)は、向かってくる弾丸を暗刃で弾き殺島の首を刎ねるのだった。

堀切で極道車を迎え撃っていた色。炎上した一台の極道車からガムテが飛び出す。
色の能力がガスによるものだと気づいたガムテは、顔をガムテープで覆ってしまう。
それでは戦う事すらままならないはずだったが、ガムテの卓越した第六感が色の居場所を察知し攻撃を繰り出す。
ガムテが隙をつき色の腹部をドスで突き刺すと、突如として彼女の体に異変が起き始める。
ガムテの極道技巧は、相手の肝臓の一部を切ってずらし末期の重病患者のようにしてしまうというものだった。
ドスの追撃を浴びせるガムテに、色はガスを出し警戒させるのだった。
そこに極道(きわみ)がガムテと合流する。
瀕死であるにもかかわらず近づいてくる色に驚愕するガムテ。
色が近づく目的は極道(きわみ)を自身の命と引き換えに殺すためだった。
しかしそれは叶わず二人は去ってしまう。
今にも力尽きそうな色だったが、そこに忍者(しのは)が現れる。
色は忍者(しのは)の腕の中で看取られる事となった。

惨蔵、左虎、右龍の三人も合流し、色の遺体から敵の情報を探る。
ガムテープの巻かれたドスからガムテが殺したと憤る忍者(しのは)だった。
ガムテ達も殺島の遺体を発見し、ガムテは動揺するが極道(きわみ)は手向けのタバコをおくるのだった。

幼狂死亡友戯(ようきょうしぼうゆうぎ)

聖華天の暴走事件から数日後、世間は米国のレジー・ナッシュ大統領が来日するという話で持ち切りだった。
忍者(しのは)はアニメショップで一人の男と出会う。
アニメの話で盛り上がった二人は自己紹介を交わし、男の正体が内閣総理大臣の愛多間七(あいだかんしち)であると知る。
彼がお忍びで出歩いていたため、SPに見つかり二人は別れることになる。

忍者(しのは)が帰路につく途中、学生服を着たガムテとぶつかる。
一触即発かと思われたが、ガムテは話がしたいと忍者(しのは)を喫茶店に誘う。
仲間の死体や現場の状況から、互いを仲間の仇だと疑う二人だったが、やがて互いが仲間の仇であることを再認識する。因縁と殺意が深まった二人は店内で闘い始める。
ガムテは隙をついて忍者(しのは)の臓器を狙うが、忍者(しのは)は色の遺体から情報を得ていたため辛くも防御に成功する。
騒ぎが大きくなりガムテはまだ忍者(しのは)を殺すタイミングではないと判断し去っていった。

赤坂を走る車の中で極道(きわみ)は次の手は何かを語る。
それはガムテも所属するグラス・チルドレンと呼ばれる子供の殺し屋集団を、忍者にぶつけるというものだった。
ガムテ自身も思惑を抱いており、忍者だけでなく極道(きわみ)も殺すことを目的に動いていた。母親と自分を捨てたことに対し、ガムテの父親である極道(きわみ)に復讐するためだった。

グラス・チルドレンは米国大統領が来日し、総理官邸に総理含め多くの官僚が集結する首脳会議の日を狙っていた。
その日は忍者(しのは)の読書感想文が内閣総理大臣賞を受賞し、その授賞式が行われる日でもあった。祝福ムードに包まれるその時、すでに官邸に潜入していたグラス・チルドレンによる襲撃が開始された。
警備や来賓が次々と殺されていく中で、突如モニターにガムテの姿が映る。
ガムテは官邸にいる人々に仕掛けられた爆弾をグラス・チルドレンに殺されないようにしつつ見つけ出すというゲームを持ちかける。
逃げ惑う人々の中で忍者(しのは)は行動を開始する。
騒ぎを聞きつけ、左虎・右龍・惨蔵の三人も到着する。
官邸に来ていた極道(きわみ)もグラス・チルドレンのターゲットとなり戦うことになるのだった。

グラス・チルドレンの処理に奔走する惨蔵が司令(オーダー)と好手(アタッカー)と呼ばれる幹部を、右龍と左虎の2人が毒(ブス)と天使(アンジュ)と呼ばれる幹部をそれぞれ始末する。

官邸内を移動する忍者(しのは)と極道が(きわみ)ついに出会う。互いに決定的な殺しの瞬間を目撃したわけではないため、訝しみながらも二人は協力することになる。
そこにグラス・チルドレン幹部である、黄金球(バロンドール)が攻撃を仕掛けてくる。
自由自在にサッカーボールを操る攻撃に対し、反応する忍者(しのは)に極道(きわみ)はさらに彼の正体について考える。
黄金球の攻撃から極道(きわみ)を身を挺して守った忍者(しのは)に、極道(きわみ)は彼の正体が何であれ、今は共闘しようと覚悟を決める。
極道(きわみ)は、ボールを防御しながら破壊することに成功し、銃で黄金球の背後にある消火器を撃ち煙幕を作り出す。
隙を狙い忍者(しのは)と極道(きわみ)は彼の首を刎ねることに成功する。
決着がついたと思われたが、黄金球は最後の力を振り絞り忍者(しのは)に蹴りを浴びせる。
忍者(しのは)は吹き抜けから落ちそうになるが、彼を見殺しにするか葛藤する極道(きわみ)は無意識に忍者(しのは)を助けてしまうのだった。

そこに再びガムテの放送が入る。
5分以内に総理執務室に捕らえられた大臣を救出できれば、爆破の時間を15分伸ばすというものだった。
救出に向かおうとする忍者(しのは)に、極道(きわみ)はそれを止めようとする。
しかし忍者(しのは)の説得に応じ、二人は再び協力して救出と爆弾解除を開始する。

執務室にたどり着いた忍者(しのは)は、大臣の救出に成功するが、そこを狙ったガムテに攻撃されてしまう。
時を同じくして、極道(きわみ)は爆弾のある応接室に到着する。
爆弾を守っているグラス・チルドレン幹部の一人、舞踏鳥(プリマ)と極道(きわみ)の戦いが始まった。

『忍者と極道』の登場人物・キャラクター

帝都八忍

多仲忍者(たなか しのは)

本作の主人公。15歳の高校生。プリンセスシリーズの熱狂的なファンである。
幼いころに極道に家族を殺され、それ以来、笑うことができなくなってしまう。
自分と同じ境遇の人間を生み出さないために極道と戦っていく。
他の八忍と違い、特殊な能力は持たないが、忍手”暗刃”を誰よりも極めている。

璃刃壊左(あきば かいざ)

帝都八忍の第二席を務める。94歳。表向きには喫茶店「でいびす」のマスターを営んでいる。
多仲忍者の師匠であり、暗刃の生みの親でもある。
両腕を伸ばし自由自在に操ることができる”如意暴”という特殊能力を持つ。

神賽惨蔵(かさい ざんぞう)

Charlie_Prop1
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