くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密(アニメ映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』とは、『くもりときどきミートボール』(2009年)の続編。3DCGアニメーション映画作品であり、2013年に公開された。
町に起こった大騒動を止めた主人公のフリント・ロックウッドだが、騒動の原因となったマシンが再び動き出してしまった。マシンからは食べ物と動物が合体した「フード・アニマル」が生み出され、町を占拠。そんな事態を救うため、フリントたちは再び町で大冒険を繰り広げる。魅力的な「フード・アニマル」が3DCGで見事に表現されている。

『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』の概要

『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』(原題:Cloudy with a Chance of Meatballs 2)とは、2013年に製作されたアメリカ合衆国の3DCGアニメーション映画作品であり、『くもりときどきミートボール』(2009年)の続編。配給はソニー・ピクチャーズエンタテインメントで、その子会社のソニー・ピクチャーズ・アニメーションが制作をしている。ソニー・ピクチャーズ・アニメーションは、コンピューターグラフィックを用いたアニメ制作をしている企業である。
日本での公開は2013年12月28日で、監督はコディ・キャメロンとクリス・パーン。

コディ・キャメロンはアメリカ合衆国出身で、声優・映画監督・絵コンテアーティストなどで活躍している。『オープン・シーズン3 森の仲間とゆかいなサーカス』(2010年)の監督や、『シュレック フォーエバー』(2010年)のピノキオの声優などで知られる。クリス・パーンは、カナダ出身のアニメーション映画監督兼プロデューサーであり、『ウィロビー家の子どもたち』(2020年)の監督で知られている。

スワロー・フォールズに起こった大騒動を止めた主人公のフリント・ロックウッド。しかし、騒動の原因となったマシン「FLDSMDFR(フリズムドファー)」が再び動き出してしまい、マシンからは食べ物と動物が合体した「フード・アニマル」が生み出されていた。フリントの憧れの人物であるチェスターVたちと共に再びスワロー・フォールズを訪れ、町を救う大冒険を繰り広げる様子が描かれている。
食べ物と動物が組み合わさった「フード・アニマル」が登場する作品で、かわいらしくて魅力的な生命体が3DCGで見事に表現されている。

『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』のあらすじ・ストーリー

フリント・ロックウッドの憧れの人

フリント・ロックウッドは幼い頃からチェスターVという人物に憧れを抱いていた。チェスターVは科学を駆使して様々なものを発明する科学者で、人間の言葉を話すオランウータンのバーブとともに「Live CORP(リブコー)」という企業の最高責任者として働いている。リブコーはフードバーという食品で有名な大企業であった。

フリントはそんなチェスターVを目標にして多くの発明品を作り上げる。そして水を食べ物に変えるマシン「FLDSMDFR(フリズムドファー)」を発明し、スワロー・フォールズを食べ物の大災害に巻き込んでしまう。だが町民や仲間たちの協力もあり、町に平穏を取り戻すことができたフリント。フリントは天気リポーターのサム・スパークスに一緒にラボを建てて仕事をしないかと提案する。サムは快く了承し、2人は設計図を書き始める。ラボの名前はサムの案で「スパークスウッド」になった。そこに警察官のアールがやってきて「スパークスウッドには警備員がいないとな!」と言い、設計図に自分の名前を書き込む。フリントの同級生のブレント・マクヘイルは自分がラボのマスコットキャラクターになると意気込む。さらにフリントの父ティム・ロックウッド、カメラマンのマニー、フリントの助手の猿スティーブが集まってきて、これからの未来を想像する彼ら。するとスワロー・フォールズの島にヘリコプターが着陸し、リブコー社の最高責任者チェスターVとそのスタッフたちが降りてきた。突然の憧れの人の登場に目を輝かせるフリント。彼らは国連の依頼で食べ残しの除去を手伝いに来たという。そしてチェスターVはフリントに「リブコーで働いてほしい」と要求した。ラボを作る夢とリブコーでの仕事に揺れるフリントだったが、サムに後押しされてリブコーで働くことを決意した。

冒険の始まり

リブコーが用意してくれたカリフォルニア州サンフランノゼの住宅で目を覚ますフリントたち。アール、ブレント、サムはそれぞれ仕事に行き、フリントも大急ぎで準備するとバスに乗ってリブコーへ移動した。フリントが会社に足を踏み入れるとバーブが迎え入れてくれた。バーブはオランウータンの頭に人間の脳を詰め込んでできたチェスターVの発明品だという。バーブは近未来的なリブコー社の中を案内し、フリントはデスクに座った。早速発明に取り掛かったフリントは冷凍扇風機、ワープで遠くまで瞬時に届けることが出来る食料配達ホール、透明コーヒーテーブルなどを発明した。

6ヶ月後、リブコーで「頭脳飛行士ベスト授与式」なる式典が行われた。チェスターVが登壇し、数多くの研究者の中から一番素晴らしい発明をした人を決めるという。心を躍らせるフリントだったが、選ばれたのは自分ではなく別の研究員だった。その研究員は排ガスゼロのエコカーを発明し、賞品としてチェスターVが着ているのと同じベストが贈られた。

選ばれなかったことに落胆し家のベッドに倒れるフリント。そんな彼の元にティムとサムがケーキを持って励ましに来てくれたが、気持ちは落ち込んだままだった。そこへバーブが訪ねてきて、フリントに相談があるからリブコーに来てほしいと言う。フリントが急いで向かうとチェスターVが「食べ残し除去現場でトラブルが起きている」と言った。映像を見ると巨大なハンバーガーが現地のスタッフたちに襲いかかっている。一度止めたはずの「FLDSMDFR」が再び動き始めたことを知ったフリントは驚いた。そこでチェスターVがマシンを止める「USO・USB(ユーエスオーユーエスビー)」をフリントに手渡し、これをマシンに差し込んでほしいと依頼した。このことは誰にも言ってはいけないという条件付きだったが、秘密を守れないフリントはすぐさまサムに報告する。さらにアール、ブレント、マニー、スティーブも誘い、途中で合流したティムもあわせて、スワロー・フォールズを救うために船で島へ向かうことになった。

スワロー・フォールズの変化

驚くサム(左)とイチゴちゃんを抱き上げているサム(右)

島に着く前、海には巨大なチェリーパイやトーストが浮かんでいるのが見えた。かつてののどかな島は気候の変化でジャングルに変わっていた。島の中を探索すると、動いて喋るイチゴがフリントに付いてくる。驚くフリントをよそに、サムはイチゴを抱き上げ「イチゴちゃん」と名付けて可愛がった。しかしその時、フリントの持っていた「USO・USB」をイチゴちゃんが奪い取って食べてしまった。USBを取り返すまで一緒に行動せざるを得なくなったフリントたちは、ある光景を目撃して目を見開く。そこにはマンゴーでできた鳥、ジャガイモのカバ、エビのチンパンジーなど様々な生き物たちが暮らしていたのだ。これらの生き物はフリントの発明品「FLDSMDFR」が生みだしたフード・アニマルだった。するとその隙に、イチゴちゃんが逃げてしまう。逃げるイチゴちゃんを追う道中、ココナッツの滝に落ちてしまったがイチゴちゃんを捕まえる事ができた。

そんな彼らの様子をチェスターVはカメラで監視していた。チェスターVはバーブに彼らの仲を引き裂くことを頼んでいた。

陸に降りたフリントたちは、ハンバーガーの形をしたチーズパイダーに襲われる。チーズパイダーは胴体がチーズバーガーで足がポテトフライの巨大な生き物で、口からチーズを吐き出して巣を作るのが特徴的なフード・アニマルだった。フリントたちは必死で逃げるもののついに隅に追いやられてしまう。そんな絶体絶命の所で、チェスターVのヘリコプターが助けに来てくれた。なぜイチゴを連れているのか尋ねたチェスターVに、フリントは事情を説明する。するとバーブがUSBを取り出そうとイチゴちゃんに刃物を向けた。バーブの行動に驚いたイチゴちゃんは、口からジャムと一緒にUSBを吐き出し逃げてしまった。

「FLDSMDFR」の捜索

彼らはラボに向かい、フリントはラボで「FLDSMDFR」探索機を作るために必要なものを取り出した。夕食の時間が迫り、マニーの作ったシチューを食べる一同。しかしフリントは忙しそうな素振りを見せ、シチューを拒んだ。いつもと違うフリントの様子に心配したサムは、「みんなあなたを助けたいの」と言う。フリントはハッと目を見開いた。

ティムは船に戻って、ピクルスたちと釣りに興じていた。サーディンが好きなピクルスたちのために、魚釣りを教えていたのだ。

フリントは、昨日の態度が悪かったのはマシンを止めなくてはならない重圧が原因であるとみんなに説明した。そこへチェスターVがやってきて、フリントに「彼らは任務の妨げだ」と耳打ちする。そのまま強引にフリントを連れて「FLDSMDFR」の捜索にジャングルへと入っていってしまった。そんなチェスターVの様子を怪しんだカールたちは、フリントの後を追う。ジャングルに歩みを進めるとそこで何かの気配を感じ、振り向く一同。すると草むらから巨大なタコスのワニが襲いかかってきた。逃げ遅れそうになったバーブを咄嗟に助けるフリント。なんとか逃げ出す事ができ、みんなはシロップ沼に歩みを進める。そこでサムが「FLDSMDFR」を止めることは間違いかもしれないと話し始めた。チェスターVは「どんなフード・アニマルでも危険だ」と反論する。研究する価値はあるとフリントを説得しようとするサム。しかしフリントは「FLDSMDFR」を止めて世界の平和を守る事が先決だと伝えた。チェスターVの言いなりになっているフリントに呆れたサムは引き返して船に戻ってしまう。さらにサムに続いてアール、マニー、ブレント、スティーブも行ってしまった。チェスターVとバーブとフリントの3人が残され、「FLDSMDFR」の探索に進む。探索機のおかげでマシンがロックキャンディー山の中にあることが判明した。

フード・アニマルの危機

サムたちが船に戻る途中、チーズパイダーが吠えかかってくる。戦う姿勢を見せるアールだったが、そのときサムがチーズパイダーに手を差し伸べた。サムがそのままゆっくりチーズスパイダーを撫でてみせると、犬のように懐いてくる。フード・アニマルが危険ではないことを証明したサム。ではなぜ前回は襲ってきたのかと疑問を呈するアールに、サムはリブコーのマークが付いたリュックを背負っていたからだと仮説を立てる。するとマニーがリブコーのロゴマーク(Live CORP)を反転させると「eviL」、つまり悪魔になることを発見した。驚きの事実を知り、チェスターVが悪者であることをフリントにも知らせようとする一同。しかしそこへ、リブコー社のスタッフが現われてみんなに襲いかかってきた。

フリントはついに「FLDSMDFR」にたどり着き、USBを差し込もうとする。するとマシンが動き、マシュマロの家族を生みだした。新たな生命の誕生を目の当たりにしたフリントはサムの言うことは正しかったと思い直し、マシンを壊すことをためらう。しかしチェスターVがUSBを奪い取りマシンに差し込んでしまった。すると「FLDSMDFR」は機能を停止せず、プログラムを変えた。チェスターVは初めからフリントのマシンを乗っ取るためにフリントを騙していたことを話し始める。マシンが奪われ、島に住むフード・アニマルたちもリブコー社によって捕獲されてしまった。サムたちも捕らえられ、リブコー社の工場に運ばれてしまう。

Live CORP社への反撃

フリントがティムの元へ行き今までの経緯を説明すると、そこにイチゴちゃんが現われた。イチゴちゃんは拙い言葉とジェスチャーで、サムたちが工場に捕らえられたことを必死に伝える。どうやって救出するかフリントが悩んでいると、ピクルスたちが他のフード・アニマルを呼んでくれた。フリントはフード・アニマルの協力を得てティムと船造りに取り掛かった。こうしてティムたちのおかげで工場内に侵入することができたフリント。中では多くのフード・アニマルが捕らえられていた。フリントは発明品である食料配達ホールを取り出し、そこからフード・アニマルたちを外に逃がすことに成功した。しかしリブコーのスタッフたちがやってきて、食料配達ホールを破壊してしまう。残ったフード・アニマルたちはスタッフたちに反撃する。

フリントはチェスターVの元に現われ、サムたちを探す。サムや仲間たちは人質に取られてしまい、フードバーの機械に放り込まれるところだった。チェスターVはフード・アニマルを使ってフードバーを作り、儲ける計画を立てていたことを話し始めた。さらにリモコンを押し、仲間たちを機械で粉々にしようとする。フリントはチェスターVからリモコンを奪い取り、彼女らを救出。しかしチェスターVは「FLDSMDFR」を持って逃げようとしていた。そこにフード・アニマルたちが現われてチェスターVを追い詰める。チェスターVは「猿!」とバーブを呼び寄せるが、バーブは一人前扱いしてくれない彼に腹を立て、フリントたちの味方になってくれた。そして外へ逃げようとするチェスターVはチーズパイダーによって捕食された。

「FLDSMDFR」を取り戻すことができたフリントは、仲間と喜びを分かち合う。バーブも彼らの新しい仲間になった。
フード・アニマルたちも仲間も守る事ができ、再び平和を取り戻すことができたフリントたちは笑顔になる。島にはたくさんの虹が架かっているのだった。

『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

フリント・ロックウッド

CV:ビル・ヘイダー/吹替え版:梯篤司
幼い頃から発明が大好きな主人公。リブコー社の最高責任者であるチェスターVに憧れを抱いており、一緒に仕事ができるようになった際にはとても喜んだ。しかしチェスターVに自分の発明品を目当てに利用されていたことを知り、ショックを受ける。
最後はチェスターVから「FLDSMDFR」を取り返してフード・アニマルを守った。

サム・スパークス

CV:アンナ・ファリス/吹替え版:甲斐田裕子
ニューヨークのお天気リポーターのヒロイン。フリントとは恋仲で、一緒にラボを作ろうと計画した。仕事で上手くいかず落ち込んでいるフリントの様子を気に掛けたり、フード・アニマルに寄り添う姿勢を見せたりと、心優しい一面がある人物。リブコー社によって工場に捕らえられた際には、フリントによって助けられた。

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