外科医エリーゼ(Doctor Elise)のネタバレ解説・考察まとめ

『外科医エリーゼ』(げかいエリーゼ)とは、韓国の作家であるyuinによるWEB小説。小説投稿サイト「カカオページ」で連載され、2024年には日本でアニメ化した。原題は『외과의사 엘리제』。
異世界にあるブリチア帝国の皇妃エリーゼ・ド・クロレンスは、悪行を重ねた末に夫のリンデン・ド・ロマノフによって処刑された。その後エリーゼは日本に転生し、外科医として活躍した後に飛行機事故で死亡。気が付いた時には15歳の頃のエリーゼに戻っていた。過去の罪を償うため、エリーゼは医師としての技術で人を救っていく。

『外科医エリーゼ』の概要

『外科医エリーゼ』(げかいエリーゼ)とは、韓国の作家であるyuinによるWEB小説。原題は『외과의사 엘리제』、英題は『Doctor Elise: The Royal Lady with the Lamp』。
小説投稿サイト「カカオページ」で連載され、日本では2018年から「ピッコマ」に掲載。2024年には「Surgeon Elise Project」によりアニメ化を果たした。

エリーゼ・ド・クロレンスは、異世界にあるブリチア帝国の侯爵家の長女だった。恵まれた血筋を利用して皇太子リンデン・ド・ロマノフの妻の座に収まったエリーゼは、生来の我がままな気質と夫の気を引きたい一心で悪行を重ね、ついには一族の滅亡を招き、自身はリンデン自らの手で火炙りにされる。
その後エリーゼは現代の日本に高本葵(たかもと あおい)という女性として転生し、己の過去を悔いて医師の道を志す。天才医師として活躍していた葵だったが、30歳の時に飛行機事故で死亡。しかし気が付いた時には彼女は15歳の頃のエリーゼに戻っており、己に何が起きたのか困惑しながらも、「今度は1度目の人生のような過ちは犯さない」と決意する。1度目の人生の知識と、現代日本で学んだ医療技術を用いて、エリーゼは多くの人を救っていく。

『外科医エリーゼ』のあらすじ・ストーリー

エリーゼの2度目の転生

エリーゼ・ド・クロレンスは、異世界にあるブリチア帝国の侯爵家の長女だった。恵まれた血筋を利用して皇太子リンデン・ド・ロマノフの妻の座に収まったエリーゼは、生来の我がままな気質と夫の気を引きたい一心で悪行を重ね、これを咎められて一族の滅亡を招き、「とんでもないことをしてしまった、自分のせいで大切な家族も罪のない人々も死なせてしまった」との後悔と共に、リンデン自らの手で火炙りにされる。
その後エリーゼは、現代日本に高本葵(たかもと あおい)という女性として転生を果たす。己の過去を悔いた葵は医師の道を志し、成長した後は天才医師として活躍する。しかし30歳の時、乗っていた飛行機が墜落。自身も深手を負いながら生存者の救助と治療に努め、「やれるだけのことはやった、今の自分を見たら両親も褒めてくれるだろうか」との想いと共に力尽きる。

ところが、2度目の死を迎えた彼女は、気が付くと15歳の頃のエリーゼになっていた。この状況に戸惑いながらも、「今の自分なら運命を変えることができるかもしれない」と考えたエリーゼは、1度目の人生の知識と日本で学んだ医療技術で、かつて死なせてしまった人々を救うことを決意する。
取り急ぎエリーゼが行ったのは、リンデンとの婚約破棄と、下の兄の死因ともなったブリチア帝国の遠征中止の提案だった。諸外国の状況を丁寧に説明しながら理路整然と説明した結果、国王は「“第三国の参戦による帝国軍の壊滅”というエリーゼの懸念はもっともである」として計画の見直しを決断。この時エリーゼは、国王が糖尿病を発していることにも気づき、彼が適切な治療を受けられるように取り計らう。

一方、「自分などが皇太子妃になろうなどとおこがましかった」という名目での婚約破棄は当然周囲の者たちを驚かせる。日本で得た知識を下に多くの人を救うべく、医師になることを決意していたエリーゼだったが、国王から「あまりに性急な話だ、あなたの覚悟がどれほどのものか見させてほしい」と半年以内に帝国での医師免許の取得を条件に突きつけられる。
これを承諾したエリーゼは、次いでリンデンにも「自分の我がままで振り回してしまった、自分など到底あなたには似つかわしくない女だった」と謝罪。しかしリンデンに「なぜあなたとの婚約が自分にとって迷惑でしかなかったという前提で話を進めているのか」と不思議そうに問われ、大いに困惑する。

病院での医者修行

医師となる勉強のため病院へと赴いたエリーゼは、現代日本で得た知識を活用して患者を次々と治療していく。当初は「お貴族様が冷やかしにきた」、「どうせすぐ音を上げる」と彼女を軽んじていた患者や看護師たちも次第に彼女を評価するようになり、エリーゼの上司となった若き医療教授グレアム・ド・ファロンも「君を軽く見ていたのは自分の過ちだった」と認めて真っ当に向き合うようになる。
その後も病院で様々な患者を救い続ける中、エリーゼは暴漢に襲われて深手を負ったリンデンの付き人を治療することとなる。グレアムですら「助けるのは無理だ」と諦めるほど深い傷だったが、エリーゼは現代日本で得た知識と技術でこれを治療。この手術の成功は「病院にとんでもない天才医師がいる」と噂を呼び、エリーゼは王宮の医師たちからも注目される存在となっていく。

突然の婚約破棄に戸惑っていたリンデンもそれは例外ではなく、彼は正体を隠すための変装をした上で「付き人を救ってくれたお礼」を口実にたびたびエリーゼの下を訪れるようになる。そうとは知らずエリーゼがリンデンとの交流を重ねていく中、「クロレンス家の娘とリンデンの婚約は王国にとっても有意義なことだ」と考える王国重鎮たちは、むりやりにでもエリーゼを医師免許試験で不合格にさせて、強引に彼女とリンデンの婚約を正式発表してしまおうと目論んでいた。

誕生祭の波乱

国王の誕生祭が開かれ、エリーゼは貴族の娘としてこれに参加する。ここで彼女は最初の人生ではリンデンを巡って争ったユリエン・ド・チャイルド、同じく最初の人生では自身の唯一の友人として親しく交流したミハイル・ド・ロマノフと再会。過去の己の振る舞いを恥じたエリーゼは、2人に対してこれまでの非礼を詫び、逆に彼女たちを驚かせる。
一方、国王は集まった国内の有力者たちの前で「リンデンの婚約」を発表。相手については「約束があって名を挙げることはできない」と言葉を濁すものの、それがエリーゼであることは誰にでも簡単に理解できるような物言いだった。驚いたエリーゼは、国王相手に「自分との約束はどうなっているのか」と尋ねるが、彼は「明言していない以上、“エリーゼのことではない”とすることは容易だ」と説明。さらにエリーゼに「試験に合格したら医者になることを許す」という約束についての再考を求めるのだった。

『外科医エリーゼ』の登場人物・キャラクター

主要人物

エリーゼ・ド・クロレンス

CV:石川由依

ブリチア帝国クロレンス侯爵家の長女。恵まれた血筋を利用して皇太子リンデン・ド・ロマノフの妻となるが、生来の我がままな気質と夫の気を引きたい一心で悪行を重ね、クロレンス家の滅亡と自身の処刑という結末を招いた。
これを悔い、2度目の人生で医療技術を学んだ後、再び“15歳の頃のエリーゼ”に転生。己と一族の運命を変えるべく、1度目の人生の知識と医療技術でかつて死なせた人々を救っていく。

高本葵(たかもと あおい)

CV:石川由依

1度目の人生で死亡した後、現代日本に天才したエリーゼの姿。施設育ちの孤児だったが、己の過去を悔いて医師の道を志し、天才外科医として活躍していた。
30歳の時に飛行機事故に遭い、深手を負いながらも生存者の救助と治療に努めた後、力尽きて命を落とした。

リンデン・ド・ロマノフ

CV:阿座上洋平

ロマノフ皇室第二皇子。エリーゼの1度目の人生の夫だったが、彼女との間に愛情は無く、悪行を重ねた彼女を自ら処刑した。

ロマノフ皇室

ミンチェスター・ド・ロマノフ

CV:井上和彦

ブリチア帝国の皇帝。優しく穏やかな性格で、民の幸せと国の繁栄のために心を砕く賢帝。日本に転生する前のエリーゼにとっても、数少ない味方にして心から尊敬できる人物だった。
糖尿病を患っており、現代医学の知見を得たエリーゼの診断によって適切な治療を受ける。

ミハイル・ド・ロマノフ

CV:斉藤壮馬

ロマノフ皇室第三皇子。明るく社交的な性格だが、ややその度合いが強過ぎるところがあり、女性に対しては特に手が早い。リンデンの弟で、彼とは次期皇帝の座を巡るライバル関係にある。兄弟仲が悪いわけではなく、リンデンと直接衝突するようなことは避けたいとも考えている。
国どころか世界的に見ても有数の剣の使い手で、東方にある清国にもその名を轟かせている。

テレサ病院

グレアム・ド・ファロン

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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