マザー・カルメル（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

マザー・カルメルの概要

マザー・カルメルとは、『ONE PIECE』（ワンピース）の登場人物で、「羊の家」という孤児院を開いていたシスター。
自分の力の及ぶ限りで孤児たちを育て、彼らに新たな家庭や職場を斡旋し、世間では聖母と称えられる高潔な人物。しかしその実態は「金儲けのために才能ある子供を次々と海軍に売り払い、そのカモフラージュのために善人を装う」悪女である。

リンリンという名で呼ばれていた頃の、まだ幼いビッグマムに「今までに見たことのない逸材だ」と目を付けたカルメルは、いずれ海軍に高値で売り払うつもりで彼女を育てる。しかし一緒に育てていた他の子供たち共々、ある日忽然と姿を消した。

マザー・カルメルのプロフィール・人物像

異名：シスター・カルメル、聖母（マザー）、山姥
年齢：43歳（100年前） → 80歳（63年前）
身長：185cm
所属：羊の家
悪魔の実：ソルソルの実（超人系）
出身地：西の海
誕生日：12月21日
血液型：S型
好物：子羊肉、チョコレート

CV：平野文

カルメルは子供たちや世間に見せる慈愛に満ちた一面と、商売相手である海軍に見せる腹黒い一面の両方を持つ狡猾な人物である。本人は「腹黒い自分」の方を本物だと認識しており、「聖女を演じるのも楽じゃない」と語っている。
愛煙家で、作中ではタバコを吸っているシーンが多い。

マザー・カルメルの悪魔の実

ソルソルの実

超人（パラミシア）系の悪魔の実。自分もしくは他人の魂を、人間以外の動植物もしくは物体に分け与えて、「ホーミーズ」という疑似的な生命体を生み出すことができる。
カルメルはこの悪魔の実の能力を得たはいいが、あまり鍛えようというつもりはなかったのか、時折道具をホーミーズ化させて子供たちを喜ばせることに使用していた。

マザー・カルメルの来歴・活躍

聖母で山姥

43歳の頃、海軍に捕らえられた巨人の海賊が処刑されそうになったところに突如として現れると、カルメルは彼らに慈悲を与えて処刑を取りやめるよう懇願。巨人たちが報復に来るかもしれないという脅しもあって彼女の意見は取り入れられ、以降海軍と巨人たちの間を取り持つようになる。
その後カルメルは巨人たちの国エルバフに「羊の家」という孤児院を開き、人間、亜人、巨人を問わず孤児たちを受け入れるようになる。ここで育てられた子供たちは才ある者は海軍に、そうでない者は一般家庭へと送られ、それぞれが幸せに暮らしていった。これらの功績が世間から高く評価され、カルメルは「聖母」と称えられる。

しかし実際はカルメルのやっていたことは「優れた戦士である巨人族を、当時仲が悪かった海軍に引き入れるための演出」であり、「才能のある子供を海軍に売り払って金儲けする」ことであった。
カルメルは本心を晒せば世間が警戒してこの商売が成り立たなくなると考え、直接の窓口である海軍の一部の人間を除き、自身の裏の顔を巧妙に隠し通す。「どの子供が高く売れるか」を見定めながら慈愛を振り撒く彼女のことを、事情を知る者たちは「山姥」と呼ぶようになった。

リンリンとの出会い

80歳となった頃、カルメルはシャーロット・リンリンという捨て子の少女と出会う。彼女は後に四皇ビッグマムへと成長する怪物的な素質の持ち主で、「自分たちの手には負えない」と判断した両親に捨てられたのだった。
カルメルはリンリンの戦士としての素質に驚愕し、「今までに見たことが無いような逸材だ、きっと高く売れる」と期待し、言葉巧みに彼女を羊の家に誘って自分の手で育てていく。

羊の家では特に戦闘訓練のようなことを行うでもなく、カルメルは自分の力がどれほどのものか分かっていないリンリンにそれを抑える術を学ばせていった。その方便としてカルメルは「平等」や「公平」といった概念を彼女に叩き込み、これを何より崇高なものだと教え込む。
それでもリンリンは自分の力を抑え切れず、時には巨人たちですらも叩き殺すほどの力を発揮。カルメルはリンリンを諫める一方、彼女に責任を取らせようとする者たちに「子供のしたことだから」と許しを請い、新天地で羊の家を再開することを繰り返していった。

戦慄の失踪

リンリンが6歳になった時、カルメルは子供たちと一緒に彼女の大好物のお菓子を作る。母と慕うカルメル、家族同然の孤児院の仲間たちが自分を一生懸命に祝おうとしてくれたことに感激したリンリンは、感激のあまり前が見えなくなるほどの涙を流しながら、目の前にあるものをひたすら口に詰めていく。
やがてリンリンがお菓子を食べ終わると、そこにいたのは彼女だけで、テーブルを挟んで反対側にいたカルメルや孤児院の仲間たちは影も形も無くなっていた。その場に残っていたのは、食い残したお菓子、皿やテーブルの破片、そしてカルメルの衣服の一部だけだった。

この光景を目の当たりにしたある者は恐怖に青ざめ、また別の者はリンリンの恐るべき怪物性に狂喜。そしてカルメルが持っていたはずの「ソルソルの実」の能力は、どういうわけかリンリンに継承されることとなった。
あまりに衝撃的な内容なため、作中では濁した表現になっているが、描写を総合するとカルメルはリンリンに“生きたまま食われた”可能性が非常に高い。

マザー・カルメルの関連人物・キャラクター

シャーロット・リンリン

規格外の怪力とタフネスを生まれ持った少女。後の四皇ビッグマムその人である。5歳にして巨人をも超える戦闘能力を発揮し、持て余した両親に捨てられたところでカルメルと出会う。
カルメルがリンリンを引き取ったのは「海軍に高く売れそうだ」という打算に満ちた考えがあってのことだったが、自分を育ててくれたカルメルのことをリンリンは第2の母として慕い、成長した後も彼女を人生の師として仰いでいる。

ビッグ・マム／シャーロット・リンリン（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

ビッグ・マム／シャーロット・リンリンは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE（ワンピース）』の登場人物。
偉大なる航路（グランドライン）の後半の海・新世界に皇帝のように君臨する4人の大海賊・四皇の内の1人。お菓子の為なら一国を滅ぼしてしまう凶悪な人物。43人の夫を持ち、その夫との間に85人の子供を産んでいる。その子供達とビッグ・マム海賊団を結成しており、その船長を担っている。ワノ国編でトラファルガー・ローとユースタス・”キャプテン”・キッドに敗れ、四皇の座を退いた。

マザー・カルメルの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

「実質的にマザー・カルメルは本物の聖母」説

自身を悪女と認識しているカルメルだが、彼女のやっていることをまとめると、「実質的に本物の聖母なのではないか」とする声は非常に多い。
カルメルが引き取るのは孤児だけで、奴隷制度が当たり前に存在する『ONE PIECE』の世界にあって不要な孤児を奴隷にして金を稼ぐでもなく、きちんと育てた上で才能があれば海軍に、無ければ一般家庭に引き取らせている。事実上、“行き場も守る者もいない孤児を育てて職か新しい家族を与えている”に等しい。羊の家出身の海軍の兵士たちにも「自分は売られた」という認識のある者は1人もおらず、全員が「カルメルに自分の才能を活かせる職場を紹介してもらった」と考えている。

カルメルは「世間に善人だと思われていた方が都合がいい」という理由でこれらの行為を続けていたが、誰に迷惑をかけるでもなく、ひたすら孤児に新しい人生を与え続けた彼女は、“悪事という認識の下、生涯を懸けて善行を重ねた”紛れもない聖母だといえる。