VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action(ヴァルハラ)のネタバレ解説・考察まとめ

『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』はベネズエラに拠点を置く、Sukeban Gamesが開発したサイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲーム。西暦207X年、グリッチシティ。本作はそんな都市を舞台に、バー「VA-11 Hall-A」で働く「ジル」を操作し、カクテルを通じて物語が展開されていく。カクテルを通じて、ただ客と会話をするゲーム。感動的な展開もあまりなければ、手に汗を握る展開もない。ただ、そこにはカクテルと人間ドラマがある。

『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』の概要

『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』は、ベネズエラに拠点を置くSukeban Gamesによって開発されたサイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲーム。
2016年6月21日にSteamで配信開始されたのち、日本ではPlayStation Vita版が2017年11月16日に発売され、PlayStation 4版およびNintendo Switch版が2019年5月30日に同時に発売された。
ゲームジャンルは「サイバーパンクバーテンダーアドベンチャー」という少し変わったジャンルになっている。バーテンダーである「ジル」を操作して来店する客にカクテルを提供していくことでゲームが進行していく。
この一風変わったゲームシステムが日本で大きく注目され、日本語訳版が発売。なんと2017年の東京ゲームショウでも出展された。

このゲームの大きな特徴は、提供するカクテルによって、ストーリーが分岐していくところだ。
ゲーム内で登場する客が、様々なカクテルを注文する。カクテルを注文通りに提供することも可能だが、あえて違うカクテルを提供することも可能。
提供したカクテルによって、客の心は開かれたり、逆に閉ざしたりすることで物語は変化していく。客が注文通りではなくても、本当に飲みたいカクテルは何なのか。常連客のいつもの飲み物は何なのか。客の要望に応えていくことで、ジル自身の運命もまた変化していく。

『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』のあらすじ・ストーリー

西暦207X年、グリッチシティ。ここは、存在すべきでない街。腐敗した政府と大企業が牛耳り、無力なる人々が何とかこの場所で生き抜いていた。そんな彼らにとってオアシスたる場所がスラム街のそばにある。その場所は「Va-11 Hall-A」、通称「ヴァルハラ」。そこでバーテンダーとして働くジルがいた。
プレイヤーはバー「VA-11 Hall-A」のバーテンダージルとなり、様々な客の話相手となりながら、カクテルを提供する仕事に従事する。

1日目

VA-11 Hall-Aに出勤したジルは、同僚のギルと一緒に開店準備を始める。ぼーっとするジルを見かねたギルはカクテルを作らせる。カクテルの作り方を教えてもらいながら、「シュガーラッシュ」と「ムーンブラスト」というカクテルを作る。他にもカクテルに関する知識をギルに教えてもらった矢先、VA-11 Hall-Aのチーフである「デイナ」が一人の少女を連れてくる。その少女の世話をジルが押し付けられ、そのままVA-11 Hall-Aは開店する。雑誌編集長の「ドノヴァン」や警察組織であるホワイトナイトの「セイ」などなど、様々なキャラクターが来店する。途中デイナが連れてきた少女が目を覚まし、取り乱してしまう。カクテルを飲ませて落ち着き、彼女が来店してきたドノヴァンの部下であることを知る。「キム」と名乗った彼女はドノヴァンの愚痴を言う。ジルがキムの接客の相手を終えて、1日目は終了する。

2日目

出勤したジルは、デイナがヘルメットをかぶっているのを見て驚愕する。なんと昨日来店したホワイトナイトのセイが、ヘルメットを忘れてしまっていたのだ。デイナは楽しそうにしながら2日目の仕事が始まる。早速ドノヴァンが来店。すっかり常連気取りになった彼の相手をした後は、娼婦でアンドロイドである「ドロシー」が来店する。ドロシーと歓談する中、常連客のジェイミーが来店する。その後、人気アンドロイドアイドルの「キラ☆ミキ」が来店する。なんと彼女はコンサート前だった。ジルは彼女を心配するが、持ち前のカリスマ性でジルを魅了してしまう。最後にキラ☆ミキからサインをもらい、2日目が終了する。

3日目

ジルが出勤すると、VA-11 Hall-Aに親友でありそしてハッカーである「アルマ」が開店前に来ていた。開店早々、アルマと歓談するジル。カクテルを何杯か飲んだアルマはまた会う約束をして、VA-11 Hall-Aを後にした。その後、ドノヴァンが来店する。早速セクハラまがいの挨拶をされるが、それを受け流す。ドノヴァンは昨日キラ☆ミキが来店したことに強く興味を持つが、ジルはキラ☆ミキの不利になる情報は全く教えない。その後、セイの知り合いである「ステラ」が来店する。ステラとはセイのことや、キラ☆ミキのことなどを話す。その後、セイも来店。ジルは例のヘルメットをセイに返却。ステラが退店した後、ドロシーが来店。ドロシーはセイとも会話をするも、どこか緊迫した様子。どうやらセイがドロシーの体が違法改造されたのを見抜いてそれを指摘したためだった。ドロシーは見逃してもらえたが、思わず泣き出してしまう。その後もドロシーと歓談して、3日目が終わる。

4日目

ジルが出勤して早速、外で銃声のような音が響き渡る。「車の排気音ではないか」「爆竹じゃないか」などと議論をしているも、通常通りVA-11 Hall-Aは開店する。最初に探偵と名乗る「アート」という男性が来店する。アートはだれかを探しており、ジルに「何か情報はないか」と迫る。態度の悪さにうんざりするジル。アートは数杯飲んでVA-11 Hall-Aを出ていく。その後、動画配信者の「すとり~みんぐチャン」が来店。騒がしい客にジルはまたうんざりする。「とにかく酔わせてくれ」という彼女はジルのカクテルを流し込む。やがて、酔いがまわって店内で眠ってしまう。その後、言い合いをしながらセイファー・トイカンパニーの獣医「ベティ」とアンドロイドの「ディール」が来店する。2人は外で聞こえる銃声のような音がなんの音なのかを言い争っていた。カクテルを数杯飲んで、2人は退店する。しばらくして、ステラが来店する。「お酒のボトルをもらったが、宝の持ち腐れになるので譲りにきた」と言ってお酒をジルに渡す。その直後、テレビで速報が入る。銀行が閉鎖されて市民が閉じ込められたという内容だった。それを見たステラはセイを心配してお店を飛び出していく。直後ジェイミーが来店。ジェイミーの口から銀行で暴動があったこと、そして銃声のような音の正体は超音速ドローンの飛行テストが軌道からそれて、ソニックブームを起こした音だとジルは教えてもらう。やがてジェイミーとはお酒などの話をして、4日目が終了する。

5日目

VA-11 Hall-Aに来店するとデイナがジルを心配する。彼女が働き詰めなところや、外の治安の悪さがデイナには心配だった。デイナは欠勤をすすめるが、ジルは通常通り勤務することを決意する。一方、4日目に来店したすとり~みんぐチャンがまだ寝ている。これ以上留まられては困るので、ジルはたたき起こして、すとり~みんぐチャンを退店させる。ステラからもらったボトルのお酒を、デイナと飲みながらお店は開店。すると早速、ガラス容器に脳みそが入った客が来店する。「テイラー」と名乗る脳みその客は、普通の客と同様にカクテルを飲んで、会話もする。彼曰く、「世界五大瓶詰め脳」の一人だという。なぜそんな体になったのか、その体で何かどのようなことが出来てどのようなことが出来ないのかなどなど、とても紳士的に話す。その後、アルマが来店してテイラーの姿に仰天する。テイラーはアルマに対しても紳士的に接する。思わずアルマも「良い人ね」とつぶやく。その後テイラーはお店を出て、アルマと2人になる。アルマは悩まされている姉の愚痴や、今まで交際してきた男性の話などをして盛り上がる。その後、ドロシーが大声をあげて来店する。アルマとドロシーはお互い初対面で、ドロシーの自己紹介を兼ねて、お互いの仕事の話などをして盛り上がる。しかしアルマの難しい話に、ドロシーは混乱してしまう。2人は一緒にお店を出ていく。その後、「ヴォージリオ」と名乗る客が来店。ヴォージリオは哲学的な内容を喋ったり「17」「プラムを1つ香水に浮かべ男物の帽子に注いだもの」という非常に分かりにくい注文をする。ヴォージリオが退店した後、激しい暴動が起こっていると速報がテレビに流れる。身を守るため、ジルはVA-11 Hall-Aに泊まることになる。朝までに何もかもが終わっていることを願って、5日目の仕事が終了する。

エンディング

グッドエンド

12月29日終了時点で口座残高が10000ドル以上あるとグッドエンドを迎える。ジルとデイナがパナマを出発。それをギルが見送るエンディングとなる。またエンディング後には8月27日日曜日のエピローグが見られる。

バッドエンド

12月29日終了時点で口座残高が10000ドル未満だとバッドエンドになる。ジルが2月1日にアパートを追い出され、アルマの家に泊るイベントが見られる。

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